記事公開日:2017/09/19(更新日2020/08/29)


こんにちは。
不妊相談を20年。
薬剤師の上田康晴です。

まだ病院で不妊の検査をされていない方は、不妊の原因が気になると思います。
そこで、今回は妊娠できない「原因」を、紹介していきます。

まず、妊娠するためには
・質のいい卵子
・質のいい精子

これが「受精」して、子宮内膜に「着床」する必要があります。
妊娠できない場合は、この一連の流れのどこかで「失敗」しているのが原因です。


不妊の原因


不妊の原因

・目次

(女性側の不妊原因)
1)排卵していない
2)排卵する卵子の質が悪い
3)卵管の通りが悪い
4)年齢による要因
5)オリモノが少ない
6)子宮内膜の状態が悪い
7)着床の問題
8)不育症
9)ピックアップ障害
10)子宮奇形

(男性側の不妊原因)
1)精子の質が悪い
2)射精障害
3)精索静脈瘤

(夫婦共通の不妊原因)
1)性行為の日が、排卵とズレている
2)ストレス
3)抗精子抗体

(補足)
・不妊の原因の男女比は


記事担当:薬剤師(上田康晴)
・くすりの上田 代表取締役
・不妊相談を始めて20年
・昭和26年創業の薬屋
・病院勤務歴あり

不妊の原因まとめ16選


不妊の原因まとめ12選

不妊の原因 女性側


まずは、女性側の不妊の原因について、お話していきますね。
男性よりも、原因の種類は多め。


排卵していない【女性の不妊】


ホルモンの乱れで、卵胞が元気に育たないと排卵されません。
ホルモンのバランスが整うと「排卵」できるようになります。

排卵障害の要因といて
・多嚢胞性卵巣
・甲状腺異常
・プロラクチンの異常
などもあったりします。

排卵しているかのチェック方法

1)排卵検査薬で自宅で検査
2)基礎体温表を記入する
3)病院で卵胞チェック

どれかで、調べておくと安心です。

基礎体温表をつけて、キレイな2相になっていれば、排卵している事が多いです。

排卵検査薬をネットで購入
⇒Amazonの購入ページをチェック

排卵する卵子の質が悪い【女性の不妊】

・不規則な生活
・食事バランスが悪い

こうした生活を続けていると、ホルモンが乱れたり、排卵が弱くなる場合もあります。

排卵は毎月ありますが、卵胞は「数ヶ月」かけて育っています。
それが順番に出てきているのです。

生活の改善は、卵子の「質のUP、元気のUP」に有効です。

・早寝する
・食事バランスに注意する
・不摂生しない
・疲れ、ストレスを溜めすぎない
・軽い運動をする
・お菓子を食べすぎない
・酒、タバコは控える

こうした生活がオススメです。

卵管の通りが悪い【女性の不妊】

卵管は左右に2本あります。
この卵管が詰まっていたり、通りが悪いと不妊になります。

精子が卵管の奥まで入っていけず、卵子と受精できません。
卵管検査で、卵管の通りを検査することができます。

年齢による要因【女性の不妊】

卵子の「老化」が、不妊の大きな要因。
卵子の「染色体異常」の割合が増えることが原因です。

また卵子の「元気さ」が、低下してくるのも原因です。
染色体異常の受精卵や、元気のない受精卵は、育たない運命になっています。

ただ染色体異常の中でも、軽い分類である「ダウン症」は、生まれてくることができます。

ダウン症の統計の発表をみると
(母体年齢:出産時)

20歳では、1441人に
1人くらいの割合。

30歳では、959人に
1人くらいの割合。

35歳では、338人に
1人くらいの割合。

40歳では、84人に
1人くらいの割合。


このデータを見ても、年齢が上がると、どれくらのスピードで「染色体異常」が増えていくか目安として、イメージしやすいかもしれません。

妊活チャレンジは、早い方が結果が出やすいです。

オリモノが少ない【女性の不妊】

オリモノ(頸管粘液)が少ないと、「精子」が子宮の中に入りにくくなります。
性交後に、頸管粘液を調べて、精子を調べる検査が「フーナーテスト」になります。

オリモノの減少は、ホルモンバランスの乱れ、冷え、疲労なども関与します。
排卵誘発剤の「クロミッド錠」の服用で、オリモノが減る場合もあります。

子宮内膜の状態が悪い【女性の不妊】

子宮内膜の状態が悪いと、着床しにくい原因になります。
生理の様子で、子宮内膜の状態がチェックできます。

■健康な生理(子宮内膜)
・生理痛が軽い
・生理の出血がサラサラ
・キレイな色

■状態が悪い生理(子宮内膜)
・生理痛が強い
・レバー状の塊がある
・どす黒い月経血


排卵誘発剤の「クロミッド錠」を服用すると、子宮内膜は薄くなる傾向があります。

子宮内膜 他の記事はコチラ

子宮内膜の厚さの基準値

クロミッドで子宮内膜が薄くなる原因は

着床の問題【女性の不妊】

・子宮内膜が薄い
・子宮筋腫
・慢性子宮内膜炎
・着床因子が弱い
・卵管水腫

こうした原因で、着床が悪くなる場合があります。
病院やクリニックの検査で、判明する場合も多いです。

不育症【女性の不妊】

妊娠しても、流産しやすい人です。
血栓ができやすいのが原因。

通常は2~3回、流産をくりかえすと、不育症の検査が行われます。

血液検査によって、血栓ができやすい体質かチェックすることができます。
保険適応の検査だけでなく、自己負担の追加検査までしておくと安心です。

ピックアップ障害【女性の不妊】

卵巣から排卵した「卵子」が、卵管側に来ていない症状になります。
精子と卵子の受精は、卵管の奥の方で出会い、受精します。

そこに卵子が来てくれないと、精子はいくら待っていても、受精することできません。

ピックアップ障害は、通常の検査では判断できません。
ですので問題がないのに、3年、5年とか妊娠できない場合は、ピックアップ障害を疑って、体外受精を検討するといいでしょう。

ピックアップ障害の原因は?
子宮内膜症などによる「癒着」よって、卵管や卵巣がねじれている場合が考えられます。

子宮奇形

生まれつきの「子宮」の形によって、不妊の原因になる場合があります。

・中隔子宮
・双角子宮
・弓状子宮
・単角子宮
・重複子宮

着床障害、流産のリスクが上がる可能性があります。
基本的には治療法はありません。

中隔子宮に限り、手術で妊娠率が上がる場合もあります。
弓状子宮は、妊娠率はそこまで低下していないようです。

不妊の原因 男性側


不妊の原因 男性側

次は、男性側の「不妊の原因」などを紹介していきます。
赤ちゃんを授かる側の「女性」と違い、男性はシンプル。

基本は「健康な精子」を提供できるか。
これになります。


精子の質が悪い【男性の不妊】

・精液量
・精子数
・運動率
が低いと、受精までいかない場合もあります。

「無精子症」の場合は、精巣から精子を見つける「マイクロTESE」をする事で、顕微授精の治療が可能になります。

基準値よりも、すこし少ないくらいだったら、生活習慣の改善で、精子の状態が良くなる例も多いです。

実際に、当店に相談に来た方でも、生活を正してもらうと、次回の精液検査で良くなっている方は、たくさんいます。

喫煙される方は、タバコは止めると、数値が良くなる傾向があります。
精子の状態は、精液検査で調べることができます。
「精液検査の基準値」の記事はコチラ

射精障害【男性の不妊】

タイミング(性行為)をとっても、射精までいかずに失敗する場合もあります。
男性の射精障害の原因として、一番大きな要因は「プレッシャー」の場合が多いです。

射精障害のくわしい情報はコチラ
射精不全 射精までできない原因は?

精索静脈瘤【男性の不妊】

精子が通る道の途中に「静脈瘤」ができてしまう症状です。
精子は熱に弱いため、通り道に静脈瘤があると、質が低下してしまいます。

精索静脈瘤は、意外と多くの方がもっています。
なんと「5人に1人くらい」が、精索静脈瘤があるそうです。
軽度、重症の差はあり。

重度の精索静脈瘤の場合は、男性不妊となります。
軽度の精索静脈瘤の場合は、妊娠するまでの期間が長くなる場合があります。

不妊の原因 夫婦の問題


不妊の原因 夫婦の問題

次は、夫婦の共通の話になります。
コチラの話も要注意です。
チェックしていきましょう。


性行為の日が、排卵とズレている【夫婦の不妊】

そもそも排卵日付近でないと、卵子が出てきていないため、受精する機会がありません。

・排卵検査薬
・基礎体温
・病院で排卵チェック
いずれかの方法で、排卵日を調べておきましょう。

妊娠できない時期

・生理中
(排卵7日以上も前)

・排卵終の高温相
(排卵後、2日以上経った頃)


「精子」は、子宮の中で3日~5日、卵子を待っています。
「卵子」は排卵後、半日くらい精子を待っていると言われます。

つまり
チャンスのある期間は、

排卵の「5日前」から、
排卵後の「翌日」まで


となります。


ストレス【夫婦の不妊】

意外ですが、ストレスは「不妊の原因」になっています。
ストレスで、ホルモンバランスも乱れます。

肩の力を抜いて、頑張れると結果がでやすい傾向もあります。

抗精子抗体

精子の対する「抗体(免疫)」が作られてしまうと、不妊の原因になります。

女性側で、精子に対する抗体が作られると、精子を弱めてしまうため、妊娠できなくなります。
妊娠する方法は「体外受精」のみとなります。

抗精子抗体は、「血液検査」で調べることができます。

抗精子抗体の治療として、以前はコンドームをつけて、女性が「精液にふれない期間」をとる方法が、試されていましたが、現在は無効と思われています。

抗精子抗体が判明すれば、体外受精を検討しましょう。

この抗体は、男性自身が自分の精子に対して抗体を作る場合もあります。
この場合は、精液検査で「精子の凝集反応」として症状があったりします。

男性側で抗精子抗体があった場合は、「顕微授精」の治療となります。

不妊の原因の男女比は

現代では、男性も不妊の割合は50%と言われるようになりました。

夫婦で生活を改め、精液検査も不妊が長引く場合は、検討してください。

不妊の原因 まとめ


不妊の原因 まとめ

検査をしても、不妊の原因がない場合も多いです。
そうなると、病院では「原因不明の不妊」と言われることが多いです。

この言葉の意味は、本当に「原因不明」というわけでなく、検査でわかる範囲のものは異常ないという意味です。

結局は、体の乱れが原因で、卵子の質(精子の質)が良くないのが原因です。

卵子の質は、基礎検査では調べれないのです。

ホルモン数値が1つ1つは、基準値内で正常でも、体が乱れている方が多いです。
(基準値の幅が大きいため)

生活を改善し、食事を見直すことで、質のいい卵子、精子になることもあります。

不妊の、いろいろなご相談は「くすりの上田」までお気軽にご相談くださいませ。

体調の事、病院の事、お薬の事など、親身になって、わかりやすくお話しさせていただきます。


くすりの上田の相談予約は便利なネット予約から!
空き時間を選んでカンタンに予約できます。


排卵検査薬をネットで購入
⇒Amazonの購入ページをチェック

妊娠検査薬をネットで購入
⇒Amazonの購入ページをチェック


不妊相談の専門店
くすりの上田
富山県高岡市大手町11-30
(高岡大仏の真横)


不妊情報のオススメ記事


・【受精卵のグレード】初期胚と胚盤胞のグレードのまとめ6選!【妊娠率も解説】

・富山県の不妊情報まとめ7選!【富山の病院選び、治療アドバイス】

・着床しない原因を解説【不妊の原因:着床障害】


くすりの上田通販ページへ