着床しない原因には何がある?


着床しない原因には何がある?

受精した「卵子」が、受精卵となって「子宮内膜」へと運ばれ着床し、妊娠へと導かれます。

ですが「子宮内膜」の環境が悪いと、せっかく精子と卵子が出会い、受精卵となっても妊娠までたどりつけません。


では、着床障害の原因として、何が考えられるのでしょうか?

着床しない原因として、どのような事があるのか、解説していきますね!

記事担当:薬剤師(上田康晴)
・くすりの上田 代表取締役
・不妊相談の専門店


着床しない原因 目次



1)受精卵の問題で着床しない
2)子宮内膜の厚みが不十分
3)子宮奇形
4)子宮筋腫
5)子宮腺筋症
6)子宮内ポリープ
7)子宮内膜増殖症
8)卵管水腫



1)受精卵の問題で着床しない

受精しない原因として「受精卵が弱く」、着床する前に成長が止まり、受精卵側の問題で「着床」してくれない事が多いです。

移植前までは、受精卵が元気そうに見えていても、子宮に戻した後に「育たなくなる」例は多いです。

これは初期胚(3日目の受精卵)から、胚盤胞(5日目の受精卵)まで育てた事がある方はご理解できるかもしれません。

わずかこの2日間で、育たなくなる受精卵が、いかに多いのかを。

今回は、受精卵だけの話だけではなく、子宮側の問題についても、解説していきます。

2)子宮内膜の厚みが不十分

子宮内膜が薄い事も、着床しない原因になります。

特に子宮内膜が7mm以下だと、着床は悪そうです。

卵胞ホルモン(エストロゲン)や、黄体ホルモンの分泌が弱かったり、子宮内膜の冷え、血流障害も考えられます。

また排卵誘発剤である
・クロミッド錠
・セキソビット錠

の副作用で、子宮内膜が薄くなります。


■子宮内膜が薄い場合の対策

病院では子宮内膜を厚くする働きのある「黄体ホルモン」の薬などで、対策をします。

漢方的に考えると
・血を補う漢方薬
・血液の流れを良くする漢方薬
・生活や食事の改善

などで、子宮内膜を厚くする対策を行います。

3)子宮奇形

子宮の形が、少し正常と違った形をしているのが「子宮奇形」です。
子宮奇形は生まれ持ったものです。


形状により、いろいろ種類が分かれ、
・単角子宮  

・重複子宮 

・弓状子宮

・中隔子宮

・双角子宮

などがあります。

いずれも妊娠は可能ですが、妊娠率や流産率が悪くなる傾向があります。


【単角子宮とは】
単角子宮は、卵巣や卵管の片側がない状態です。


【重複子宮とは】
重複子宮は、子宮が右側卵管側、左側卵管側と一つずづあるような感じで子宮が2つある状態です。


【弓状子宮とは】
弓状子宮は子宮の奥の突き当たり部分が、手前側に弓のように引っ張られているような形状をしています。


【中隔子宮とは】
中隔子宮は、子宮の中が真ん中が2つに仕切られている状態。
中隔子宮の場合は、手術をすることにより妊娠率が上がるデータがでています。


【双角子宮とは】
双角子宮は子宮の奥側で2つに分かれているような状態です。

4)子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍です。

女性の方の多くの方は、小さな子宮筋腫をもっている場合があります。
通常は治療は必要なく、問題ありません。


ですが、場所や大きさによっては「不妊の原因」になる場合もあります。

エストロゲンのホルモンに依存する傾向があります。
ホルモン剤によって、大きくなる可能性もあります。



■子宮筋腫の対策
・薬物療法
・手術


大きな筋腫があり、不妊の原因になっていると疑わる場合は、手術を検討します。

5)子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、子宮内膜の深層部の筋肉内で、内膜組織が増殖、出血(生理周期の生理みたいな現象)をくり返す病気です。


子宮の筋肉が固く腫れあがるため、子宮内膜の環境にも悪影響を及ぼし、着床しにくくなり、不妊の原因となります。


■子宮腺筋症の自覚症状

・月経困難症
・過多月経
・貧血



■子宮腺筋症の治療法
子宮腺筋症は治療が難しく、完全に治癒させることも難しい。
内分泌療法を行っても再発、再燃する事が多いようです。

6)子宮内ポリープ

子宮の中にできた、良性のポリープです。

ポリープの場所や、大きさによって「着床障害」となることもあります。

■子宮内ポリープの治療法
手術で簡単に「取る」ことができます。

小さな場合は、手術をすぐに行わず、様子見になることが多いです。

7)子宮内膜増殖症

「子宮内膜増殖症」とは、子宮内膜が厚くなりすぎる病気です。

子宮内膜の細胞が分裂しすぎる症状で、「子宮内膜」が本来のものと性質が異なってくる傾向があります。

そのため着床障害にもなるようです。

治療法は難しく、そのまま経過を見ながら妊活を行います。

8)卵管水腫

「卵管」に溜まる体液が、子宮内膜へ流れ出て、その質の悪い液体が「受精」を妨げていることも報告されます。

それだけでなく、分泌液自体が「受精卵」の発育を妨げている原因にもあるようです。

また、卵管水腫は流産率もかなり高める報告もあります。


■卵管水腫の治療法

卵管水腫の治療法として
1)卵管切除
2)卵管をしばる
3)卵管水腫を吸引する
4)エタノール硬化法

があります。

着床障害の「不妊のまとめ」

病状によって、治療の対応が変わったりもしますので、病院の先生の説明をよく聞きながら、今後の事を考えていきましょう。

頑張って、いい結果ついてくるといいですね!


不妊相談の専門店 
くすりの上田
富山県高岡市大手町11-30 
営業:朝10時~夜6時  
定休日:水曜、日曜、祝日


その他 オススメ記事

【受精卵のグレード】初期胚と胚盤胞のグレードのまとめ

妊娠できない原因のまとめ16選!【女性の不妊、男性不妊】

富山県の不妊病院まとめ7選!


くすりの上田通販ページへ