「ステロイド剤」よくある質問7選!



薬剤師の上田康晴です。
ステロイド剤の疑問を、
お答えします。

目次
1)ステロイドって連用していいの?
2)ステロイドを塗っているのに良くならない場合は
3)ステロイド塗るの止めると悪化する
4)赤ちゃんに使って大丈夫?
5)ステロイドの副作用
6)ステロイド部位で効果が違う
7)ステロイド外用薬の塗り方


≪ステロイド剤の薬理作用≫
ステロイド(正確には副腎皮質ステロイド)が細胞内に入り込み、細胞質にある得意的な受容体に結合します。
そうすることで、結果的に抗炎症タンパクの転写が促進され、炎症を抑える効果がでます。


1)ステロイドって連用していいの?


次に気になるのが、ステロイド剤をずっと
毎日塗っていていいのか?
という事だと思います。



ステロイド治療を選ばれるなら、しっかり病院で処方してもらったステロイドを、指示通り使用することが大切です。中途半端に使用を中止すると、悪化の原因になります。

その方の症状に合う強さのステロイド処方してくれています。
皮膚科の指示通りの使い方、期間であれば、毎日塗っていても問題ないと思われます。

ですが、ステロイド外用薬は、
基本的にはずっとは
使用したくないです。


これは、当店だけでなく、きっと皆様も同じ思いを持っているはずです。

本来なら、最初は皆様同じ思いのはずなのに、ステロイドを塗ったら楽になるし、ステロイド剤を塗るのを止めると悪化するので、ステロイド治療を止めることを考えなくなりがちです。

大事なのは、ステロイド以外の「スキンケア対策」もしっかり併用していく事です。


2)ステロイドを塗っているのに良くならない場合は



ステロイドを毎日塗っているのに、全然よくならない・・・
こうした方は、ステロイドの「強さ」が合っていないのかもしれません。

先生と相談して「強いステロイド」に切り替えてもらうのも、1つの方法と思います。
ステロイド剤のランクがを上げて、強くすると、症状は収まりと思います。

「ステロイド剤を強くしたくない」
と思われるかもしれませんが、症状がひどい場合は検討してみてください。

ステロイド治療以外にも、保湿などのスキンケア対策をすると悪化しにくく、治りやすいです。


3)ステロイド塗るの止めると悪化する



ステロイドを塗るのを止めると、症状が出てくるので心配になりますよね。

「結局、毎日塗らないといけないの?」
「いつまでステロイドは塗り続けるの?」
そんな心配が出てきますね。

ここの不安や疑問を解決するためには、ステロイド治療の「本当の効果」を知る必要があります。

■ステロイド治療の効果
ステロイドは良くも悪くも、
炎症・痒みを強制的に
グッと抑えるお薬です。
これは1日~3日くらいの
短期間で効いてきます。


治すのではなく「抑える」。
この「表現」の理解が大事です。



ステロイド剤は、根本的な治療をしているわけではありません。

ステロイド剤を塗っていれば「症状」は無理やり抑えますが、ステロイド剤を塗るのを止めると、症状は出てしまいます。これは当たり前の現象です。

ステロイドは、噴水の水を
上からぎゅーと何かで
水を抑えているようなものです。


手を離せば、抑えられていた水が、また吹き出します。

この噴水の例でお話すると、噴水の水を調整する栓を止めることが、水を出させない一番の方法です。

いくら水の出口だけを抑えていても、その時だけの対処です。
しかも中で水圧が高まっていきますから、どんどん抑える力も必要になってしまいます。

ステロイド治療も同じ部分があります。

最初は弱い「ステロイド剤」を使っていた方でも、肌の表面の症状はキレイに見えても、体内の反応がどんどん強くなっている場合があります。

そうなると、以前の弱いステロイドでは症状が抑えれないので、強いステロイドに代わっていきます。



こうした事実をわかり始めた方が、ステロイド治療を止めたいと思われ始めます。

ステロイドを止める治療法を検討される場合は、後半で説明してある
・食事対策
・スキンケア対策
コチラは最低限実行されると、ステロイドの「リバウンド」が少ないのでお勧めです。

また「脱ステロイド」までしなくても、ステロイド治療と併用で、保湿などのスキンケア対策をしていくと、症状は軽くなりやすく、悪化しにくいです。


4)赤ちゃんに使って大丈夫?



ステロイド剤は、すごく効果があるけど、強いお薬って聞くから、小さな赤ちゃんに続けて塗っていいのか心配と思いますよね。

どこの皮膚科さんでも、赤ちゃんに普通に「ステロイド剤」は処方されます。
小さなお子様や、顔の部分には、ランクの弱いステロイド剤が処方されます。
・ロコイド
・キンダベート
・アルメタ
・リドメックス

などが処方されます。


≪小児での注意≫
顔にはマイルドを基本として、重度の場合はStrong(強い)を使うこともありますが、1週間以上の連用は避けるのが望ましいと言われます。

症状の様子を見ながらStrong(強い)のステロイドを使用している方は、症状が落ちついたら、1つステロイドの強さを下げてMedium(中間)にすることを検討してみましょう。

赤ちゃんの肌は薄いので、ステロイドの副作用も出やすくなります。
慎重に使っていきましょう。


5)ステロイドの副作用


ステロイドの副作用

ステロイドの強さや種類によって、多少の副作用の違いがありますが、ここではまとめて紹介していきます。

眼圧亢進
白内障
緑内障
皮膚感染症
酒さ様皮膚炎
皮膚萎縮
毛嚢炎 (ニキビ悪化)
毛細血管拡張
皮膚真菌症
皮膚カンジダ症
皮膚白癬
軟毛濃色化

(それ以外の副作用一覧
紫斑 、 皮膚色素脱失 、 口囲皮膚炎 、 ほほに潮紅 、 口囲潮紅 、 丘疹 、 膿疱 、 多毛 、 ステロイドざ瘡 、 魚鱗癬様皮膚変化 、 一過性皮膚刺激感 、 皮膚乾燥 、 紅斑 、 発疹 、 蕁麻疹 、 そう痒 、 皮膚灼熱感 、 接触性皮膚炎 、 過敏症状 、 下垂体・副腎皮質系機能抑制 、 急性副腎皮質機能不全 、 中心性漿液性網脈絡膜症

(情報元・信頼性)
書籍:今日の治療薬
ステロイド剤の添付文書より

気になる症状があった場合は、医師に相談しましょう。

重大な副作用が出た場合はコチラ
医薬品副作用救済制度


6)ステロイド部位で効果が違う



皮膚は場所によって「ステロイド剤」の吸収率が違います。

ステロイド吸収率の部位比較

腕が「1」とした場合、
他の部位と比較すると

・背中1.7倍
・頭皮3.5倍
・額(おでこ)6倍
・顔は下顎で13倍
・陰嚢42倍
塗る場所によって吸収率が高くなります。

使用するステロイドの強さ、塗る量には気をつけましょう。
病院で指示された量をお使いください。
(情報参照元 書籍:今日の治療薬)


7)ステロイド外用薬の塗り方


ステロイド外用薬の正しい塗り方

ステロイド外用薬は、症状に合わせて1日に1回~2回、患部に塗ります。
皮膚が厚い部位は、入浴直後の皮膚が柔らかくなっている時にステロイドを塗ると、薬の吸収が良くなり効果的です。

塗る量の目安。
1回にステロイド外用薬「0.5g」。

これを大人の「手のひら」
2枚分くらいの面積に
塗るのが目安です。


ステロイド剤を0.5gを計量する方法
「フィンガーチップユニット」という考え方があります。
これは「人差し指の先端」から「第一関節」まで、ステロイド剤のチューブから絞り出した量が約0.5gと計量する方法です。この量を、先ほどの「大人の手のひら2枚分」の面積を目安に使います。



ステロイド剤のチューブの容量によって、チューブ口の「大きさ」は異なります。
大きめの25g~50gの容量のチューブで、人差し指の先端から第一関節までの量になります。

5gのチューブでは「2回絞り出した量」が、約0.5gとなります。
大体の目安としてでOK。


くすりの上田 オススメの対策


ステロイド剤や、プロトピック軟膏だけでなく、保湿などのスキンケア対策を併用すると、症状が軽く
なりやすいです。

ステロイド剤で炎症を抑えることも、1つの対策と思いますが、質のよい「クリーム」や「化粧水」などで保湿していくと、悪化しにい傾向があります。


当店「くすりの上田」の通販ページで、当店の評判のスキンケア対策の商品は販売していますので、遠方で相談に来れない方でも、当店の人気のスキンケア対策を始めることは可能です。


記事担当
薬剤師:上田康晴

くすりの上田
富山県高岡市大手町11-30