アトピー性皮膚炎の色素沈着、黒ずみ(ステロイド剤の副作用か?)
記事公開日2019/06/20(更新日:2020/08/17)

アトピー性皮膚炎と色素沈着
こんにちは、薬剤師の上田康晴です。
アトピー性皮膚炎の方の多くの方が、気になる肌の「黒ずみ」の原因である色素沈着。
今回はアトピーの「色素沈着」のお話を解説していきます。
・目次
1)アトピーの色素沈着はステロイド剤の副作用か?
2)アトピーの色素沈着の原因は何か?
3)アトピーの色素沈着は治る?
4)アトピーの色素沈着どのくらいの期間で治るのか?
記事担当:薬剤師(上田康晴)
・創業70年の薬屋
・アトピー相談歴10年
・娘のアトピーが完治の経験あり。
アトピーの色素沈着は「ステロイド剤」の副作用か?
アトピー性皮膚炎の治療で頻繁に使用する「ステロイド剤」の副作用で、色素沈着が起こっていると勘違いされている方もいらっしゃいます。
ですが、実際はステロイド剤の副作用で「色素沈着」ができた訳ではありません。
ステロイド剤は炎症を短期感で抑えてくれる強い薬。
薬の効果も即効性なので、肌の副作用もステロイドの影響と思いがち。
ステロイド剤をこれからも使用される方は、正しい情報を持つことが大事です。
くすりの上田では「ステロイド治療」を推進している訳ではありません。
だからといって、体の悪影響の全部が全部、ステロイドのせいにするとか、いい加減なことは言いません。
・ステロイド剤の便利な部分
・ステロイドの剤の弊害
正確な情報をお伝えして、ステロイド治療を続けたいか、止めていく方向でアトピー治療をされるか、決めてもらっています。
ステロイド剤の副作用はいろいろありますが、色素沈着(肌の黒ずみ)はステロイド剤の影響ではない事はお伝えしておきます。
アトピーの色素沈着の「原因」は何か?

色素沈着の「原因」の解説。
メラニン色素が肌の奥の方へ、深く入り込んでしまった事が原因です。
メラニン色素は肌表皮の基底層にあるメラノサイトで作られる成分で、日焼けをした時に肌が黒くなる原因の物質です。
本来は紫外線から体を守る成分なのですが、その成分が肌に蓄積されてしまうのが色素沈着です。
シミも、色素沈着が原因です。
症状がひどかった「アトピー性皮膚炎」の、炎症や赤みが落ち着いた頃に、黒っぽい色素沈着が気になり始めます。
アトピーが治っていく過程で、ステロイド剤を使用して治療したとしても、またはステロイド剤を全く使わなかったとしても、色素沈着ができてしまった結果は同じだったと思います。
痒みや炎症が強かった時に、肌を爪で掻きむしって、肌を壊し、メラニン色素が奥に入り込んだのが色素沈着の原因です。
肌の奥深く(真皮まで)入り込んでいるため、普段の肌のターンオーバーで簡単に肌の表面に上がってこなくて、肌の奥で黒ずみが残ってしまうのです。
アトピーの色素沈着は「治る」?

アトピーによる色素沈着は、メラニン色素が肌の奥に入りこんでいるので、これが除去できないと治らないです。
肌の状態を良くして、炎症を繰り返さないようにして、血が出るほどに、掻きむしらないようにします。
そのための対策としては、ステロイド剤をしっかり使用するか、ステロイド剤を使用したくない方は、食事やスキンケアなど生活の改善もしっかり行いましょう。
とにかく、アトピーのひどい症状の放置が、後々の色素沈着になります。
上手に肌の良い状態をキープしていきましょう。
アトピーの色素沈着 どのくらいの期間で治るのか?

肌の浅い部分のメラニン色素であれば、アトピーの炎症が落ちついている状態が3~4ヶ月と続けば、少しづつ黒ずみが軽くなってきたりします。
私の娘も小さい時アトピーがひどかった頃は、良くなった後に背中が薄黒くなっていましたが、次第にキレイになっていきました。
3ヶ月~半年ほど経過した頃に気にならなくなっていました。
ですが、肌の深い部分(真皮)に入りこんだメラニン色素の場合は、なかなか出てこない事もあります。
肌の健康な状態を維持しながら、ゆっくり見守っていきましょう。
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薬の専門家
くすりの上田
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