乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い【見分け方や治療法をアドバイス】
記事公開日:2019/06/13
(更新日:2020/08/17)

こんにちは、薬剤師の上田康晴です。
0歳の赤ちゃんに、プツプツと出てくる湿疹。
病院での診断では、ほとんどが「乳児湿疹です」と言われます。
ですが、その後も湿疹が続いて、「アトピー性皮膚炎」なのか、「乳児湿疹」なのか、モヤモヤされている方もいると思います。

今回は、アトピー相談を専門にしている薬屋の薬剤師が、「乳児湿疹」と「アトピー性皮膚炎」の見極めをご紹介していきたいと思います。
しっかり肌の対策をして、お子様の肌トラブルを少しでも良くしてあげてください。
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

「乳児湿疹」と「アトピー性皮膚炎」とでは、肌の対策は全く異なります。
これから、わかりやすく解説していきます。
赤ちゃんの「乳児湿疹」とは

乳児湿疹とは、0ヶ月~6ヶ月くらいまでに出る湿疹などの症状。
≪特徴≫
・白いポツポツとしたニキビみたいな症状
・黄色いカサブタ(乳児脂漏性湿疹)
生まれれて1ヶ月~2ヶ月は皮脂の分泌が盛んで、こうした肌のトラブルが出やすくなります。
≪乳児湿疹の対策≫
乳児湿疹の対策としては、泡立てた石鹸でやさしく洗って清潔に保つ事になります。
乳児湿疹では特に治療薬が出ることも少なく経過を見守る事となります。
場合によってはステロイド剤を処方されるドクターもいるかもしれません。
肌の清潔に保ち、余分な皮脂を取って清潔にしていると2~3ヶ月で乳児湿疹は良くなる傾向があります。
(注意・ポイント)
洗いすぎの場合は、逆に保湿で良くなる事もあります。
6ヶ月過ぎても赤みや炎症などある場合は「アトピー性皮膚炎」を疑います。
赤ちゃんの「アトピー性皮膚炎」とは

アトピー性皮膚炎とは乾燥肌からくる肌の炎症。
アレルギー反応や、免疫の過剰反応も関係しています。
アトピー性皮膚炎の場合は血液検査をすると、免疫の数値であるIgEが高い傾向があります。
食べ物アレルギーの検査では、食品のいくつかが反応しやすい傾向もあります。
アトピー性皮膚炎は「遺伝」も関係します。
赤ちゃんは生まれて1~2ヶ月は皮脂の分泌が盛んですが、それ以降は乾燥傾向にあります。
ですので、皮脂が減ってくる3ヶ月以降くらいから、「アトピー性皮膚炎」の症状が出てきたりします。
乳児湿疹は放置で様子をみても時期が来れば良くなる傾向もありますが、
アトピー性皮膚炎の場合は「スキンケア対策」など、しっかり正しい手当てを行わないと、肌の症状は良くなりません。
≪アトピー性皮膚炎の対策≫
アトピー性皮膚炎の対策としては、乾燥肌で悪化しやすいので、保湿対策が基本となります。
肌にやさしいクリームで保湿していきましょう。
炎症や赤みが強い場合は、それに対応した軟膏も使用すると良いでしょう。
「乳児湿疹」と「アトピー性皮膚炎」を見分けるには

「乳児湿疹」は、潤いすぎが原因の湿疹。
「アトピー性皮膚炎」は。乾燥からくる湿疹や炎症(赤み)。
原因である根本が全然違います。
症状が出る時期も、乳児湿疹は「1ヶ月~6ヶ月頃」
アトピー性皮膚炎は「4~5ヶ月以降~大人」までと時期も少し異なります。
生後7~8ヶ月や、1歳頃になっても「乳児湿疹でしょうか?」と、くすりの上田に相談にいらっしゃる方も多いです。
この頃の肌の赤みや炎症は、ほとんどの場合が「アトピー性皮膚炎」になります。
乳児湿疹は潤いすぎ、
アトピー性皮膚炎は乾燥傾向
なので治療方法も全く逆になります。
乳児湿疹は皮脂を落とす、アトピー性皮膚炎は保湿して肌を潤す。
お子様が小さい間は病院の先生は、なぜか「アトピー性皮膚炎」の診断をされない傾向があります。
不確定の段階で病名をつけたくないためか、「アトピー性皮膚炎」の確定診断は難しいので診断されないのか、どちらかわかりませんが、6ヶ月以降の肌の赤みや痒みは「アトピー性皮膚炎」の可能性が高いと思います。
アトピー性皮膚炎の場合は、病院では「ステロイド剤」が処方されますが、小さなお子様の場合はステロイド剤を使わなくても、アトピー性皮膚炎の症状が良くなる事も多いので、まずは保湿対策は最低限しっかり続けてみると良いでしょう。
お子様の肌トラブルが、1日でも早く良くなる事を願っております。
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