抗てんかん薬と「妊娠」の関係【妊娠中の薬の影響は?】

こんにちは。

不妊相談を20年!
薬剤師の上田康晴です。


持病で「抗てんかん薬」を飲んでいる方も、いらっしゃると思います。


てんかんの薬を服用している方は

・私は妊活してもいいのかな?
・妊娠したらお薬はどうなる?
・赤ちゃんは健康に生まれてくる?

いろいろ気になると思います。

結論は、
【妊娠しても大丈夫が場合が多い】
ということでが、

より詳しい情報を
チェックしてみてください。


「てんかん」と「妊娠」のお話です。

・目次

1)てんかんでも妊娠できるか?

2)抗てんかん薬の「赤ちゃん」への影響

3)抗てんかん薬の種類別のリスク度

4)抗てんかん薬の妊娠中の大事なポイント

5)お医者さんと納得いくまで相談する


これらを、わかりやすく解説していきます。


「てんかん」でも妊娠できるか?


「てんかん」でも妊娠できるか?

「てんかん」ですが、妊娠できますか?

そうした不安を持っている方もいますが、ちゃんと妊娠できます。


当店「くすりの上田」でも、

てんかんの方でも妊娠され、
妊娠中のトラブルもなく、
無事に出産されています。



まずは、「てんかん」を見てもらっている病院の先生に「赤ちゃん」を希望している事を伝えましょう。

そして、今飲んでいる「てんかん」のお薬が、「妊娠のリスク」の少ないお薬かを、確認してみてください。


妊娠へのリスクが高いお薬が処方されている場合は、病院の先生と相談しながら、リスクの少ないお薬に処方変更してもらいましょう。


また、抗てんかん薬は、数種類より1種類の方が、妊娠中のトラブルは少ないのです。

てんかんの治療も「優先」しつつ、可能なら薬の種類も減らす工夫もしていきましょう。


抗てんかん薬の「赤ちゃん」への影響


抗てんかん薬の「赤ちゃん」への影響

「てんかん」がある方が妊娠を考える場合は、ある程度の覚悟は必要になります。

それでも、ちゃんと妊娠できて、無事出産している人は、全国でたくさんいらっしゃいます。

分娩も、基本的には普通分娩が可能と言われています。

まずは、どの程度のリスクがあるのかを把握して、頑張っていきましょう。


多くのてんかん薬には「催奇形性」が報告されています。

催奇形性とは、胎児に影響を及ぼす可能性があるという事です。

でもこれは、全員に起こるというわけではありません。

お薬を服用中の妊娠で6~10%前後と報告があるようです。
(お薬の種類、量なども関係あり)

抗てんかん薬の

バルプロ酸(商品名:デパケン)

カルバマゼピン(商品名:テグレトール)


この2種類には、神経管閉鎖不全の奇形が「起こりやすい」と言われています。

ですが頻度は
バルプロ酸(商品名:デパケン)で、1~2%。

カルバマゼピン(商品名:テグレトール)で、0.5~1%くらいです。

これが、高いと思うか低いと思うかは、個人の判断です。

お薬の種類や、量でも副作用の頻度は変わっていきます。

できるだけ、
・単剤がベスト
・少量がベストです。


しかしこれは、体調を見ながらの処方となるので、病院の先生と、よく相談して決めていきましょう。

基本は、てんかん治療は優先したいと思います。
難しいところです。


抗てんかん薬の種類別のリスク度(妊娠中)


抗てんかん薬の種類別のリスク度(妊娠中)

妊娠中に服用する「てんかん」のお薬は慎重に選ぶ必要があります。

妊娠を希望中は、
抗てんかん薬は

・できるだけ単剤
・できるだけ少量



これが基本の考え方となります。


「てんかん」のお薬を、2種類以上の併用する場合のお話です。

妊娠とは相性の悪い「組み合わせ」があります。

特に避けた方がいいと
報告のある組み合わせ
(成分名)


■注意1
「フェニトイン」と
「フェノバルビタール」の組み合わせ


■注意2
「カルバマゼピン」と
「フェノバルビタール」の組み合わせ


■注意3
「バルプロ酸」と
「カルバマゼピン」の組み合わせ


■注意4
「フェニトイン」と
「プリミドン」と
「フェノバルビタール」の
3種類の組み合わせ


と報告されています。

これらは成分名で、「商品名」ではありませんので、ご注意ください。


最近では、価格の安いジェネリック医薬品が増えてきたため、同じ成分でも名前の違う薬が多数あります。

チェック間違いのないよう、ここでは「成分名」のみで紹介しました。

お薬を服用中の方はご自身の薬の、成分はチェックしておきましよう。


また、「米国神経学アカデミー」ではこのような記述があるようです。

胎児の認知機能に対する悪影響を避けるために「多剤併用」を避け、「単剤」でも

・バルプロ酸(成分名)
・フェニトイン(成分名)
・フェノバルビタール(成分名)
は避けて、

カルバマゼピン(成分名)を選択することを、勧めているようです。


カルバマゼピン(成分名)は日本でよく処方されています。
商品名は「テグレトール」になります。


多少のハードルがありますが、無事に健康な赤ちゃんをご出産されるのを祈っています。

てんかんの状態も大切です。

現状で「妊娠していい状態」なのかも、病院の先生とよく「相談」してから決めてくださいね。
母体の健康も大事ですからね!


抗てんかん薬の、妊娠中の大事なポイント


抗てんかん薬の、妊娠中の大事なポイント

妊娠初期に「葉酸」が大事なのは有名な話です。

ですが「てんかんの薬」を飲んでいる方は、特に要注意です。

抗てんかん薬である
・フェニトイン
・フェノバルビタール
・カルバマゼピン

などのお薬は、葉酸の濃度を「低下する」働きがあります。


ですので、抗てんかん薬を服用している方は、「葉酸」をしっかり摂取する必要があります。


日本てんかん学会のガイドラインでは、
1日に葉酸を0.4~0.6㎎(400~600㎍)
と定義されています。

海外では1日に4~5㎎(4000~5000㎍)と、
大量に摂取することが推奨されています。


てんかんの持病がある方で、妊娠をこれから考える方は、妊娠前から「葉酸」をしっかり補う必要があります。

・フェニトイン
・フェノバルビタール
・カルバマゼピン

は葉酸に対して「拮抗作用」があります。
(ジャマをする働き)


なので葉酸補給は、1日に5㎎(5000㎍)と、かなり多めが推奨されています。

他の抗てんかん薬でも、健康な方と同様に1日0.4㎎(400㎍)の葉酸補給が推奨されています。


葉酸を1日に5㎎(5000㎍)補う場合の注意!

1日に5㎎(5000㎍)は、市販のサプリメントでは補いきれません。

病院で処方される医薬品の「フォリアミン錠」を服用します。

フォリアミン錠は、1錠で葉酸が5㎎を補給することができます。


葉酸を1日に0.4㎎(400㎍)の補いをする場合は、市販の葉酸サプリで補うことができます。


当店で取扱いの「マリンオイスター」にも、葉酸が1日量として0.4㎎(400㎍)が補給できるように作られています。

マリンオイスターは妊活応援のサプリです。
ご注文はコチラから


お医者さんと納得いくまで相談する


お医者さんと納得いくまで相談する

母体の健康は「最優先」です。
これ大事!


妊娠をしたいからといって、自己判断で「抗てんかん薬」を急に止めてはいけません。
絶対にしないでください。

病院の先生と相談して、体調をみながら対策を検討してください。


・今の体調
・今飲んでいる薬
の状態で、すぐに妊活していい状態なのか?

または半年くらいは、母体の体調を整えるのを最優先して妊活をお休みし、体調が良くなったら、飲んでいる薬の種類や量を減らして、妊活チャレンジできるようになるのか?


てんかんの先生、不妊治療をしている先生などの意見も聞きながら、決めていきましょう。


不妊相談の薬屋
くすりの上田
富山県高岡市大手町11-30

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