「初期胚」と「胚盤胞」どっちがいい?


初期胚と胚盤胞 妊娠率の違いは?

体外受精で採卵をされた後、

初期胚(2~3日目の受精卵)で
移植(凍結)するか



胚盤胞(5日目の受精卵)で
移植(凍結)するのか


悩んでいる方も多いです。


そこで、今回は初期胚胚盤胞
どっちかいいのか」の解説です。

記事担当:薬剤師(上田康晴)
・不妊相談の薬屋さん
・不妊カウンセリング実績2000組以上


「初期胚」と「胚盤胞」妊娠率の違い


胚盤胞の妊娠率(着床率)が高い理由

「初期胚」と「胚盤胞」妊娠率の違いの解説。

初期胚の妊娠率
グレード1、グレード2であれば、妊娠率は20~30%くらい期待が持てます。
グレード3以下の場合は、妊娠率10%以下くらいに低下。


胚盤胞の妊娠率
グレードや、内部細胞塊、栄養外胚葉などが良ければ、妊娠率は30%~60%くらい期待が持てたりします。


胚盤胞の妊娠率(着床率)が高い理由


胚盤胞の妊娠率が高い理由としては。

1つ目の理由。

2~3日目の初期胚から、もう2~3日間育っているので元気な証である。
初期胚から5日目まで育たない受精卵も意外と多い。



2つ目の理由。

初期胚の移植の場合は、5日目まで育たない初期胚を移植する可能性がある分、妊娠率が低くなりがち。
胚盤胞の移植は、5日目まで育った卵だけを移植しているので、移植後に受精卵の成長が止まっている確率が減っているため、妊娠率は高い。



2つ目の理由の解説補足。
胚盤胞まで育てた事がある方は、実感できるかもしれませんが、初期胚の時の個数より、胚盤胞(5日目)まで育てると、ぐっと個数が減ることが多いです。

胚盤胞に育てるということは、途中で成長が止まる卵を「ふるい」にかけて選別しているとも、考えることができます。


初期胚より「胚盤胞」の方がいいのか?


初期胚より「胚盤胞」の方がいいのか?

「初期胚」と「胚盤胞」どっちがいいのか?
結論からお伝えすると、どっちとも言いきれません。

胚盤胞まで育つ元気な「初期胚」であれば、仮に「初期胚」の段階で移植しても、胚盤胞の移植と結果は同じと思います。


ただ難しいのが、胚盤胞まで育つかは、日数をみて確認しない事には、わからない点です。

培養するのであれば、目で確認できます。
初期胚(2~3日目)で移植なら、妊娠結果で判定するしかありません。


冷静に考える方であれば、胚盤胞まで育てて移植すれば、無駄な移植が減るため、治療期間、治療費の節約にもなります。

ここで言う「無駄な移植」とは、2~3日目の初期胚を移植後、子宮の中で成長が止まり胚盤胞まで育たない卵の移植のことです。


こうした点から、一般的には胚盤胞移植が妊娠率が高いため、採卵で多くの卵子が採れた場合は、1つは採卵周期に移植して、残りを胚盤胞まで育てる流れは多いように感じます。


年齢の高い方は「初期胚」の方がいい場合もある

40代くらいになると、卵子の質も落ちてくるため、培養液での培養の「負担」が強くなる傾向があるため、あえて初期胚で止めておく方がいいという解説もあったりします。

状況をみて、先生の判断に任せるのも良いでしょう。

胚盤胞まで育てるのか、病院で聞かれました


胚盤胞まで育てるのか、病院で聞かれました

初期胚(2~3日目)で止めておくのか、胚盤胞(5日目)まで育てるのか、先生が決めずに、患者さんに聞かれる場合があります。

こうした知識がない方は、急に聞かれても
「知らないよ~、先生決めてよ」
と思うかもしれません。

病院やクリニックの先生が、完全に決めない理由として。
1)患者さんの意志を優先する
2)胚盤胞まで育てて残らない場合もある



つまり、治療は自己責任の、究極の選択を迫られているのです。

当店「くすりの上田」に通っていただいているお客様からも、不妊クリニックや病院から携帯で電話をしてこられ、「急に聞かれた~、どっちがいいと思います?」と相談の電話があったりします。

やってみないと、わからない部分なので、先生も勝手に決めにくい部分があります。

ただし、病院の治療スタンスはあると思うので、迷ったら先生のアドバイスに合わせるのでも、良いと思います。


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