Th1とTh2バランスが悪いと不妊になる【タクロリムスが有効】
免疫のバランス【Th1/Th2検査とは】

不妊治療を繰り返しているのに、なかなか「妊娠→出産」できない原因として「免疫拒絶」がある場合があります。
受精卵は、卵子と精子が結合してできた「新しい細胞」です。
女性の身体(免疫)からすると、受精卵は自分の遺伝子は持っているのですが、「自分の細胞(自己)」ではなく「異物」という認識です。
過剰に免疫が働くことで、「受精卵」や「胎児」を異物と考え、子宮内膜側の拒絶反応が起こり「着床不全」になると、考えられています。
その「免疫拒絶」が過剰に起きていないかを調べる検査が「Th1/Th2検査」となります。
免疫の「Th1」と「Th2」
体を守る「免疫部隊」は1つではなく、大きく分けて2つに分類されます。
・Th1
細菌やウイルスに対応する免疫部隊。
体を異物を最初に見つけ、対応する。
・Th2
アレルギー反応などを担当する免疫部隊。
新しい抗体などを作ったりもします。
「Th1」と「Th2」は、お互いに連携して、片方だけが働きすぎないようにバランスをとっています。
「Th1」と「Th2」のバランスが崩れると「不妊の原因」になる

最初に体の異物を見つけて対応する「Th1」の働きが強くなりすぎると、受精卵を異物と認識してしまい、拒絶反応が起こってしまいます。
通常は妊娠中「胎児」や「胎盤」を、異物とみなし攻撃してしまう「Th1」の免疫が減少し、「Th2」が優位になって、妊娠を維持すると考えられています。
Th1/Th2検査 正常値とは
「Th1」の数値を「Th2」で割った数値が「Th1/Th2比」になります。
Th1/Th2比は、高すぎても、低すぎても、不妊になると考えられています。
特にTh1/Th2比が高い場合は、子宮内膜側の拒絶反応が起こり「着床不全」が心配されます。
■Th1/Th2比の正常値
10以下を基準値とする場合が多い
基準値としては、こうなっていますが、Th1/Th2比が「7~12」くらいでも、正常妊娠されている方は多いです。他の検査状況と合わせて、治療が必要か検討すると良いでしょう。
Th1/Th2比が高かった場合の治療法
過剰な免疫を抑える目的で、「免疫抑制剤」の内服薬が使われます。
処方される内服薬
・タクロリムス
タクロリムスの服用で、過剰な免疫が抑えられ「Th1/Th2比」のバランスが良くなります。
着床不全の原因は、他にもいろいろある
着床しにくい原因は「Th1/Th2比」だけではありません。
着床不全の原因となるもの
・子宮内膜の厚み
・着床の窓
・慢性子宮内膜炎
・乳酸菌バランス
・子宮内ポリープ
・卵管水腫
・子宮奇形
などなど様々あります。
不妊治療で、なかなか結果がでない場合は、いろいろ検討も必要です。
場合によっては、よりレベルの高い病院への転院も必要な場合もあります。
こうした情報は、個人で「ネット検索」していても、正しい情報がわかりにくいため、信頼できる「人」や「お店」に相談するのが近道です。
くすりの上田では、不妊相談のカウンセリングを専門としている薬屋さんです。
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記事担当:薬剤師(上田康晴)
記事参照
https://www.ncchd.go.jp/center/information/kaihatsu/pdf/h29/27-32.pdf
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