受精卵の染色体異常の割合は?【着床しない/流産する原因に】

不妊相談を20年!
薬剤師の上田康晴です。
排卵日にタイミングをとったけど生理が来た。
人工授精したけど妊娠しなかった。
体外受精したけど、受精卵が育たなかった、着床しなかった。
妊娠できない大きな要因に、受精卵の「染色体異常」があります。
これについて、わかりやすく解説していきます。
記事担当:薬剤師(上田康晴)
くすりの上田(代表取締役)
不妊相談の専門店
(記事の参照元)書籍
不妊治療のための卵子学
妊娠できない原因【受精卵の染色体異常】

これは受精卵の染色体異常の割合のグラフです。
意外と多いと思いませんか?
精子と卵子が受精できたら「妊娠」。
そういうイメージも強いと思いますが、実際はそれだけではありません。
1)受精
2)分割(成長)
3)着床
4)着床継続
これが妊娠して出産までの流れです。
意外と多い染色体異常
・卵子の染色体異常
・精子の染色体異常
どちらにも、一定の割合で「染色体異常」があります。
年齢が上がると増えます。
精子と卵子が受精することは、科学的にみると、とても難しい反応です。
とうぜん失敗や、ミスが起こります。
受精した後の受精卵は、少なくとも50%に染色体異常があると報告されています。
染色体異常の受精卵は育たない運命になっています。
これは人類の知恵なのかもしれません。
タイミングでの受精率、妊娠率
「不妊治療のための卵子学」の本の中で、こうした説明があります。
自然においては排卵後受精するのは約50%と思われる。そしてその先まで進行するのは流産したりして20%ぐらいにとどまり、ヒトの受精卵は自然に淘汰されている。
こうした解説が書いてあります。
タイミングを頑張っていて、毎月生理が来てガックリしている方もいると思いますが、もしかすると受精まではしていたかもしれません。
ですが受精後の運命もあり、妊娠まで至っていないのかもしれません。
人工授精の受精率、妊娠率

(データ参照元):書籍
多施設からみた最良のART
結果の出せる不妊治療
人工授精における受精の考え方も、タイミング療法と同じになります。
ステップアップして人工授精をしたからといって、妊娠率が80%、100%になるわけでは、ありません。
これが「妊娠できない原因」の1つ。
コツコツ回数を重ねることが大事です。
人工授精の年齢による妊娠率などは、コチラの記事をご参考ください。
人工授精の回数と妊娠率【年齢別の人工授精の妊娠率は】
体外受精の受精率、妊娠率
体外受精の成功の鍵は、いかに良い受精卵ができるか。
これが一番、大事な部分です。
一番最初に見てもらった、受精卵の染色体異常のグラフからわかるように、年齢が若いほど染色体異常が少ないです。
不妊期間が長くなってきた場合は、早めの体外受精の選択も検討してみましょう。
卵子、精子、受精卵の質は、「年齢」以外にも、生活習慣の影響も受けやすいと考えられています。
ご自身の生活スタイルも見直してみてください。
体外受精の受精卵のグレード別の妊娠率の記事はコチラを参考ください。
【受精卵のグレード】初期胚と胚盤胞のグレードのまとめ7選!【妊娠率も解説】
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