(記事更新日:2020/08/09)


着床しない原因を調べる【ERA検査とは】着床の時期を調べる

こんにちは、薬剤師の上田康晴です。

体外受精で移植を、何度もしても着床しない。

・なぜ、着床しないの?
・原因は?
・卵が悪いの?


そんな疑問もあると思います。

近年、「着床しにくい原因」を調べる検査が、出てきました。

着床不全の検査としては
1)ERA検査
2)慢性子宮内膜炎の検査
3)子宮内膜細菌叢の検査

の3つがあります。

今回は、ERA検査についての解説です。


着床の窓を調べるERA検査


着床の窓を調べるERA検査

まず「着床の窓」って何?
と思いますよね。

わかりやすくお話していきます。


着床の窓とは


まず「着床の窓」についての説明です。

子宮内膜は、いつでも受精卵の受け入れをOKという訳ではありません。

ある一定の期間だけ「受精卵」を受け入れると言われています。


「着床の窓」は、玄関を鍵を空けて、受精卵を子宮内膜の内側に入れてあげるイメージで、他のタイミングで受精卵がやってきても、玄関を開けてくれません。


着床の窓のタイミング(日にち)がズレていると、
・質のいい受精卵
・グレードのいい初期胚
・グレードの良い胚盤胞
が来ても着床せず、妊娠判定が出てくれません。


着床できる日は決まっている


着床できる日は決まっている

移植する日は
・生理周期を見ながら
・ホルモン数値を参考に
移植日を決めます。

ですが人によっては、この着床を受付している期間が、個人差でズレている人がいると報告されています。

そうした方は「移植」を繰り返しても着床せず、受精卵が無駄になる事もあります。

そこで何度も良さそうな受精卵を移植しているのに、着床しない方には「着床の窓」を調べる検査が行われることがあります。

それがERA検査です。
(エラ検査)


それがERA検査(エラ検査)

その方が通常よりも、1日遅れて着床をまっている場合であれば、移植日を1日遅らしたり、

着床を待っている日が1日早そうな人には、1日早く移植したりもします。


こうする事で、妊娠しやすくなる方もいます。


このERA検査は、お医者さんの中でも有効性に疑問を感じている方もいるようで、必須の検査ではありません。

場合によっては病院やクリニック側から、ERA検査を勧められる場合があったり、患者さんの要望によって、行われる場合もあります。


実際に当店「くすりの上田」に相談に来てたお客様が、ERA検査をしてその後の移植で、1回で着床判定が出て妊娠された方も確かにいます。


ERA検査の方法


ERA検査の方法

ホルモン剤を投与してから、子宮内膜を状態を作ります。

そして子宮内膜をピペールと呼ばれる器具で、子宮内膜細胞を採取します。

【ERA検査の処置時間】
子宮内膜細胞を採取は5分程度。
大がかりなものではありません。

多少の痛みがあるようですが、軽い痛みのため通常「麻酔」は行わないようです。
(個別に麻酔対応もあるようです)

採取した細胞を検査に送るので、結果がでるまで数週間かかります。

検査した月に移植は間に合わないので、翌周期以降の移植になります。


ERA検査の費用


ERA検査の費用

通常10万くらいかかる検査になります。
(値段は病院によって異なります)

ですので、だれも行う検査ではありません。



ERA検査のまとめ


ERA検査のまとめ

最近ではERA検査ができる病院が増えてきました。

ただ誰でも行う検査ではなく、体外受精や顕微授精をしている方で、何度も移植しているのに着床しない方に限定して検討されます。

タイミング療法や、人工授精の場合は、基本的には検討はされない検査と思います。

もちろん病院の先生によって、または患者様の要望によって、体外受精や顕微授精をされていない方でも、ERA検査が行われる場合はあるのかもしれませんが、ごく一部だと思います。

着床不全の検査としては他にも
・慢性子宮内膜炎の検査
・子宮内膜細菌叢の検査
もあります。

着床しにくい方は、これらも総合的に検討していく必要もあります。


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記事担当
薬剤師:上田康晴

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