アトピー性皮膚炎の治療は今まで、ステロイド剤(副腎皮質ステロイド剤) だけでしたが、最近ではプロトピックというお薬が、よく使われるようになりました。


プロトピック 写真1
プロトピック 写真2

皆様も、ステロイドじゃないから安心・・・・
と思っている人もいますが私は、そうは思いません。だって、免疫抑制剤ですから。

私達薬剤師が、お薬の情報を見るのに一番利用するのが、お薬の説明書です。プロトピックの説明書(添付文書)にまず最初に書いてあるのが、次の文面です。

【警告】
マウス塗布がん原性試験において、高い血中濃度の持続に基づくリンパ腫皮膚がんの発現が報告されています。本剤の使用にあたっては、これらの情報を患者に対して説明し、理解したことを確認した上で使用すること。

潰瘍、明らかに局面を形成している糜欄(びらん)に使用する場合には、血中濃度が高くなり、腎障害の副作用が発現する可能性があるので、あらかじめ処置を行い、潰瘍、明らかに局面を形成している糜爛の改善を確認した後、本剤を使用すること。

と、ハッキリ、明記してあります。

もちろん、こうした副作用が全員に出るわけではなく、可能性があるという話です。

でも、「ステロイドじゃないから安心だ~」
という薬でないことは、何となくご理解いただけたでしょうか。

次は、プロトピックの一般的な副作用の情報です。

プロトピックの承認時までの臨床試験では66.6%の人に、臨床検査値異常を含む副作用が認められています。

主な副作用
・熱感(44.3%)
・疼痛(23.6%)
・そう痒感(9.5%)
・毛嚢炎(6.3%)
・ざ瘡(3.9%)
・カポジ水痘様発疹症(2.1%)
・単純疱疹(1.5%)
と報告されています。

プロトピック使用中に細菌性感染症や、ウイルス性感染症になった感染した場合は、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤の併用が勧められています。

妊婦、産婦、授乳婦への注意
妊娠、又は妊娠している可能性のある婦人には、使用しないこと。
(動物実験の経口投与で催奇形作用胎児毒性の報告あり)

母乳中へ移行する可能性があるため、プロトピックの使用中の授乳は避けること。
(プロトピック添付文書より抜粋)

お薬の使用について、その薬剤を使いたいかどうかは個人の自由です。しっかり、自分で見極めて今後の治療方針を検討してみてくださいね。

薬剤師の立場としてネットで書き込みできる内容は、これがギリギリのラインと思います。
世の中には、色々な対策があります。自分で、納得のいく治療法を探してみてくださいね。

もっとアトピー情報をお知りになりたい方は、過去の「アトピーQ&A」のページもご参考くださいませ。

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薬剤師:上田康晴

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