【アトピー性皮膚炎】ステロイドを使わない方法まとめ【注意点も解説】
こんにちは、アトピー相談を10年。
薬剤師の上田康晴です。
できればステロイドを使いたくない。
そんな方へ、オススメの対策のご紹介です。
記事担当:薬剤師(上田康晴)
・薬学部卒業後、病院に1年勤務
・薬屋でアトピー相談を10年
・創業70年の薬屋
・娘のアトピー完治を経験
アトピー性皮膚炎のスキンケア
![アトピー性皮膚炎のスキンケア](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/36466bdb5cb384e9c2b3acd6d1256a26.jpg)
ステロイドを使わない方法の話。
何の対策もしないでステロイドだけ止めると、炎症や湿疹が強くなりツライと思います。
始める方は「スキンケア対策」と同時に、「食事」なども本気で取り組みましょうね。
アトピー性皮膚炎の、正しいスキンケア方法。
・もくじ
1)「保湿」について
2)ワセリンの欠点
3)保湿のポイント!
4)尿素のクリームはNG
5)「痒み」対策は
6)脱ステロイドの注意点
もう少し細かく説明していきますね。
「保湿」について
アトピー性皮膚炎の方は、乾燥肌。
・肌がカサカサしたり
・ゴワゴワ、バリバリ
そんな方が多いと思います。
肌のバリア機能も弱いため、菌の感染も起こりやすくなります。
(肌の消毒も有効)
「とびひ」にもなりやすいです。
アトピーの方は、バリア機能が弱いうえに、痒くて爪で掻いちゃうので「菌の感染」にかかりやすいのです。
また、皮膚のバリア機能が弱いことが原因で、水分の保持ができず肌が乾燥していきます。
(水分が蒸発するイメージ)
肌のバリアを高める
![肌のバリアを高める](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/f101ac46d01b22f563ba686425fd77e2.jpg)
バリア機能が弱く、肌が乾燥するとちょっとした刺激や、温度差で肌が痒くります。
しっかり保湿対策をすることが肝心です。
病院では、アトピー性皮膚炎の方の保湿対策に、「ヒルドイド」という塗り薬を、よく処方されるのですが、
![ヒルドイド 写真](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/201808/f1d755aecf8e3372a4d489eb2e7ec25f.jpg)
これが合うタイプと、合わないタイプの方がいるようです。
当店の実感では、半々くらい?
あと「ワセリン」もアトピーの方に、 よく処方されますね。
これは水分を肌に閉じ込めておくのが 得意な軟膏です。
ワセリンの欠点
ワセリンはベタベタ感があるのが、 一番の欠点です。
子供は、ベタベタになるのは、 塗るのを嫌がる傾向にあります。
補足としてワセリンは保湿の浸透性は弱いです。
やわらかいクリームの保湿剤の方が、肌を潤す効果は高いです。
当店では、保湿対策はこれらをよく使っています。
・メーテクリーム
・メーテローション
保湿のポイント!
![保湿のポイント!](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/ff1fae55f0b97a1f582b3a5b3dd9d40f.jpg)
お風呂上りは忘れず保湿することです。
風呂で、肌の油分が取れてしまいます。
お風呂上りに保湿を怠っていると、 その後に痒くなりがちです。
夜にお風呂入る方で、寝るとき痒くなるのは、これが原因なんですね。
最初はたっぷり塗るのがコツ
![コツはたっぷり塗ること](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/179afd3751d4bceb3f3ac66fca587d41.jpg)
最初たっぷり塗るのがコツです。
保湿していても乾燥している方は、塗る量が足りない証拠です。
肌の乾燥を実感している方は、まずは1週間~2週間くらいたっぷり保湿しましょう。
最初は「これでもか!」というくらい、たっぷり保湿クリームを塗るといいです。
たっぷり塗っても肌の乾燥している方は、クリームが浸透していってベタつきがなくなるので、不思議ですよね。
そうしているうちに、肌の保湿が上がってきて同じ量を塗っていると、ベタつくようになっていきます。
それは肌の保湿が上がった証拠。
そうなれば、塗る量は減らしていいです。
尿素のクリームはNG
![尿素のクリームはNG](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/881cc65d110fb7e42101e2833e52b3a2.jpg)
保湿するクリーム(軟膏)は、尿素の入っていないものを選びます。
テレビコマーシャルで、保湿に尿素と言っていますが、アトピー性皮膚炎の方の肌には、キツくあたります。
尿素の入っていない、手頃なクリーム(軟膏)をますは、お気に入りを1つ見つけましょう。
「痒み」対策は
アトピーは、痒いのが一番の悩み。
痒み対策は、絶対した方がいいです。
病院では、即効性の魔法の薬「ステロイド剤」を使用します。
ステロイドに頼らない場合は、抗ヒスタミン剤を使います。
いわゆる「痒み止め」です。虫さされに、よく入っているやつです。
痒みの生体反応を簡単に説明すると、体内に蓄えられた「ヒスタミン」という物質が放出されることにより、痒みが起こります。
![痒み イラスト](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/201808/4d1bb17aec398321aca41e6d9f810c99.jpg)
だから、痒みを抑えるには、ヒスタミンを抑える抗ヒスタミン剤が有効なんですね。
抗ヒスタミン剤は、ステロイドと違いリバウンドがないです。
だたし、痒みがゼロになるわけではありません。
10の症状が5~6くらいになるイメージです。
軽度の症状なら、ステロイド剤を使わなくても、これで十分「痒み」が我慢できる範囲になります。
そうしているうちに、アトピーの体質改善の治療を進めるのです。
保湿、痒み対策は、本当に基本ですので頑張ってみてください。
脱ステロイドの注意点
![脱ステロイドの注意点](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/f8d95f5c411e36bd5a2aa7042b3ea6b8.jpg)
現在「ステロイド」の塗り薬を使っている方が、代わりに「かゆみ止め軟膏」を使う場合、切り替えに関しての注意点です。
痒み止めは、ステロイドの代わりにはなりません。
あくまで代用です。
ステロイドは魔法の薬で、どんなひどい炎症(赤み)でも塗れば、赤みや炎症を抑えてくれます。
しかし痒み止めは、「痒み」だけを抑えるので「炎症」を抑える効果はありません。
ここ重要です。
脱ステロイド 最初は悪化しやすい
![脱ステロイド 最初は悪化しやすい](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/c9a1e1858db206323f3a494dcf21d79d.jpg)
つまり、ステロイド剤を使っていた方が、代わりに「痒み止め」を使った場合。
最初は、見た目は悪化したように感じます。
これは、痒みを抑える効果もステロイド剤よりは弱いです。
これは当たり前ですよね。
ステロイドで抑えていた効果がなくなるわけですから。
ステロイドは痒みを抑える以外にも、湿疹(炎症)を抑える効果もある。
痒み止めは、痒みをとるだけ。
ですから、ステロイドを使っていた方が、ぴたっと使用をやめて痒み止めを使用すると、アトピーが悪くなったと思われる方が多いのです。
ステロイドしばらく塗ってない方は大丈夫
![ステロイドしばらく塗ってない方は大丈夫](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202008/a3e0de7e174813469ac50af31f2f3adc.jpg)
ステロイドを2~3週間くらい使用していない方であれば、脱ステロイドで頑張っても問題ないです。
ここ1~2週間、ステロイド剤を使用していた方は、どうするか?
いきなりステロイドを止めるのではなく、ステロイド剤を使いながら痒み止めや、保湿対策やアトピー対策同時進行していけば、いかがでしょうか。
![ステロイド](https://www.kusuri-ueda.jp/archives/001/202002/4da7723fb60a43d752b104d9ea288218.png)
そうして、「スキンケア対策」や「食事」や「内服薬」などでアトピーが良くなってこれば、自然にステロイドの使用頻度が減ってくると思います。
弱いステロイドだろうが、いきなり止めるとリバウンドで、日常生活が困難になるくらい悪化する人もいます。
それほど、ステロイドは強い薬というわけです。
アトピーは、免疫、腸内環境、食事なども関係しています。
体質改善は、スキンケアだけでは不可能です。
食事や、内服薬を使いながら1年くらいかけて頑張っていきましょう。
食事や、内服の手当ても大切ですので他のページを参考にしてくださいね。
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薬剤師:上田康晴
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