レトロゾールの「効果、副作用、妊娠率」いつから飲むか?


レトロゾールの「効果や副作用」

「レトロゾール」は、もともとは「閉経後乳癌」の治療に使われる薬です。
しかし作用の便利さから「不妊治療」にも、とても頻繁に使用されています。

「乳癌の薬が、不妊治療に?」
と思いますが、怖い薬ではありませんので、ご安心ください。わかりやすく解説していきます。

【 も く じ 】
・レトロゾールの「効果」
・レトロゾールいつから飲む?
・レトロゾールの妊娠率
・レトロゾールの「副作用」
・レトロゾール「鎮痛剤」との併用は?
・レトロゾール 飲んではいけない時


レトロゾールの「効果」


レトロゾール

レトロゾールの使用目的
乳癌の治療に
排卵誘発の目的に


レトロゾールは、もともと「乳がん」の治療薬です。
癌に使用すると言っても「抗ガン剤」ではなく「ホルモンに働く薬」です。

■カンタンに「乳がん」の解説
乳がんは「エストロゲン」というホルモンに依存する病気です。
エストロゲンを抑えることで、乳癌のリスクが低下します。


レトロゾールは、この「エストロゲン」を抑える薬なのです。

詳しくは「アロマターゼ阻害薬」といって、アロマターゼ阻害作用により「エストロゲン」の生成を阻害し、乳がんの発生や成長を抑える薬です。

これが本来の目的の薬であって、レトロゾールの添付文書(薬の説明書)には、不妊治療の事など1つも書いてありません。→レトロゾール【薬の説明書】


レトロゾールがとうとう不妊治療として保険適応に(2022年より)


レトロゾールは保険適応外で、不妊治療で使用される

レトロゾールは、これまでご紹介したように「乳がん」の治療薬として、開発、保険適応されたお薬。
ですが「エストロゲン」を抑える作用が、不妊治療の分野で注目され、使われるようになりました。

■不妊治療に使われる理由
卵胞の育ちが悪く、排卵の弱い方は、エストロゲンを抑えることで、卵胞の成長が良くなり、排卵しやすくなります。ですので排卵を助ける薬として「排卵誘発剤」という薬が使われます。

排卵誘発剤
■クロミッド錠

→クロミッド添付文書
■セキソビット錠

→セキソビット添付文書


こうした排卵誘発剤は、強い「抗エストロゲン作用」でエストロゲンを抑え、排卵を助けます。

排卵がしにくい方には、不妊治療でとても便利な排卵誘発剤ですが、気になる点があります。
それは「子宮内膜が薄くなる」こと。
そこで医療現場では、たまに休薬しながら「クロミッド錠」や「セキソビット錠」が使われています。


レトロゾール

■そこで「レトロゾール」に注目が!
レトロゾールは、アロマターゼ阻害作用という「別の作用」でエストロゲンを抑えてくれます。
このおかげで、子宮内膜が薄くなる副作用が気にしなくて良くなるのです。

「レトロゾール」は、排卵の弱い方の「タイミング療法」でも使われますが、「人工授精」「体外受精」の治療の際にも、よく使われます。


レトロゾール「不妊治療」いつから飲むか?

■レトロゾール服用方法(排卵目的)
「レトロゾール」は排卵を助ける目的で服用するので、生理3日目くらいから、1日1錠を5日間ほど服用します。

レトロゾールの妊娠率は?


レトロゾールの妊娠率

■クロミッドとの妊娠率の差
排卵誘発の第一選択は「クロミッド錠」ですが、レトロゾールでも妊娠率は高い報告が多いです。

(論文その1)
多嚢胞性卵巣症候群の不妊症に対するレトロゾールとクロミフェンの比較
(論文1の抜粋)
レトロゾール」を投与された女性は、クロミフェンを投与された女性よりも累積出生数が多かった。双子の妊娠にグループ間の有意差はなかった。

(論文その2)
再発性移植不全の女性におけるGnRHアゴニストとレトロゾール治療の効果
(論文2の抜粋)
GnRHアゴニストのみまたは前治療なしの女性と比較して、GnRHアゴニストと「レトロゾール」を投与された女性の方が「臨床妊娠率」は高かった

■多嚢胞性卵巣の方にはオススメ
特に多嚢胞性卵巣(PCOS)の方は、長期間にわたり排卵誘発剤を使用するため、クロミッド錠の連用で「子宮内膜が薄くなり、着床しにくい」という問題がありますが、レトロゾールではそうした副作用が気にならず服用することができるため、有効と考えられます。


レトロゾールの「副作用」について

■「レトロゾール」気になる副作用は?



レトロゾールを服用すると、ホルモンバランスを変動させるため、人によって様々な体調の変化を感じたりもします。

レトロゾール服用での副作用
・イライラする
・頭痛
・腹痛
・便秘
・下痢
・不眠
・ほてり
・悪心(嘔吐)
・目の症状
・関節痛
・太った(食欲増進)
・脱毛
・出血があった

など、いろいろあります。
→レトロゾール副作用一覧


こうした副作用は、全員に出るわけではありませんので、ご安心ください。
もし「レトロゾール」を服用して、こうした症状が気になった場合は、先生に相談してみましょう。


レトロゾールの飲み合わせ【鎮痛剤との併用は?】

不妊治療で「レトロゾール」服用されている方は、生理痛、腹痛などで「ロキソニン」や「バファリン」などの痛み止めを飲まれている方もいるでしょう。

「レトロゾール」と「鎮痛剤(痛み止め)」は、基本的には併用されても問題ないです。

ただし、服用される方の個別の体調(病気)も、あるかもしれませんので、長期的に併用する場合や、気になる方は、念のため「担当の先生」に確認されておくと安心です。

レトロゾール 飲んではいけない時

妊娠中
授乳中

間違って飲むことは少ないと思いますが、「妊娠中」と「授乳中」は、レトロゾールは服用禁忌(NG)です。

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記事担当:薬剤師(上田康晴)

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