不妊のホルモン検査【基準値など数値の見方】卵巣や卵胞の状態を知る
不妊の検査 ホルモン数値の見方

不妊の検査でホルモン数値を調べたけど、
「見方がわからない」
「体の状況がわからない」
という方も多いと思います。
今回は「ホルモン検査」の数値について、解説していきます。
ホルモン数値は血液を採取して「血液検査」で調べることができます。
生理中のホルモン検査では、「卵巣機能」を調べることができ、排卵前のホルモン検査では「卵胞の育ち」や「排卵日の予測」などが確認できます。
ホルモン数値ごとの解説をしていきます。
【 も く じ 】
・FSHの基準値
・LHの基準値
・黄体ホルモン(P4)の基準値
・エストロゲンの基準値
・プロラクチンの基準値
・TSHの基準値
・AMHの基準値
記事担当:薬剤師(上田康晴)
・くすりの上田 代表取締役
・不妊相談の薬屋
・不妊カウンセリング実績2000組以上
FSHの基準値
■FSHの基準値
・卵胞期 5.2~14.4mIU/mL
・排卵期 5.6~14.8mIU/mL
・黄体期 2.0~8.4mIU/mL
FSHは「卵胞刺激ホルモン」とも呼ばれ、卵胞を育てるためのホルモンになります。
■調べる時期
不妊と検査としては、生理中(卵胞期)のFSHの数値が参考になります。
基準値では「5.2~14.4」となっていますが、実際には「8~9以下」が正常な数値です。
FSHの「数値が高い」ということは、卵胞の育ちが弱くなって、必要以上に卵胞を育てるホルモンを分泌しなければ、卵胞が育たないという状況で、卵巣機能の弱りを示すサインとなります。
合わせてチェックしたいホルモン数値
・LH
・AMH
LHの基準値
■LHの基準値
・卵胞期 1.8~7.0mIU/mL
・排卵期 5.6~34.9mIU/mL
・黄体期 1.0~7.8mIU/mL
LHは「黄体化ホルモン」とも呼ばれ、排卵を促すホルモンとなります。
市販の排卵検査薬は尿に出てくるLHを調べています。
■調べる時期
排卵のタイミングを調べる時は排卵期に調べます。
卵巣機能や排卵障害などを調べる場合は卵胞期(生理中)のホルモン数値が参考となります。
生理中のLHの数値が、FSHよりも高い場合は「多嚢胞性卵巣(PCOS)」が疑われます。
合わせてチェックしたいホルモン数値
・FSH
多嚢胞性卵巣(PCOS)の診断チェックには
・卵巣の画像診断
・男性ホルモンの数値
・インスリン抵抗性
こうした状況も合わせて診断されます。
黄体ホルモン(プロゲステロン)P4の基準値
■黄体ホルモン(P4)の基準値
・卵胞期 1以下ng/mL
・排卵期 1以下ng/mL
・黄体期 5~30ng/mL
黄体ホルモン(P4)は、排卵した卵胞が「黄体」に変化して、黄体から分泌されるホルモンです。
黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くする働きがあります。
黄体期の基準値は5~30ng/mLとなっていますが、妊活では15ng/mL以上がいいです。
黄体ホルモンが弱いと、子宮内膜が薄くなったり、基礎体温表で高温相が弱くなります。
黄体期の中期頃(高温相になった頃)で黄体ホルモン(P4)が10ng/mL未満の場合は、黄体機能不全と判断されます。
黄体ホルモンが弱い原因は、卵胞(卵子)の成長が弱かった事が考えられます。
合わせてチェックしたい項目
・基礎体温
・子宮内膜の厚さ
・卵胞の育ちのチェック
エストロゲン(卵胞ホルモン)の基準値
■エストロゲンの基準値
・卵胞期 13~70pg/mL
・排卵期 70~500pg/mLくらい
・黄体期 70~300pg/mLくらい
エストロゲンは排卵前が、数値がいちばん高くなる時期です。
成長した卵胞が、脳に「卵胞が成長しました」と送る信号がエストロゲン。このエストロゲンの信号を受けて、脳は排卵を促すLHを分泌を高めます。
合わせてチェックしたいホルモン数値
・FSH
・LH
プロラクチンの基準値
■プロラクチンの基準値
妊活中は 30ng/mL以下に
プロラクチンは、もともとは授乳中に「母乳の分泌」を促すホルモンです。
妊娠前からプロラクチンの数値が高いと、排卵障害になる場合もあります。
薬の服用で「プロラクチン」が高くなる場合もあります。
睡眠薬、精神安定剤、胃薬、血圧の薬などの服用で、プロラクチンが高くなる可能性があります。
プロラクチンの数値が高くて、これらの薬を服用している方は、病院の先生にご相談くださいませ。
合わせてチェックしたいホルモン数値
・TSH
・甲状腺ホルモン
【関連記事】
・プロラクチンが高くなる原因
TSHの基準値
■TSHの基準値
0.48~4.50μIU/mlくらい
妊活中の方は、「2.5μIU/ml 以下」がオススメです。
TSHは「甲状腺刺激ホルモン」と呼ばれ、甲状腺のホルモンの分泌を促すホルモンです。
TSHの数値が高いということは、甲状腺ホルモンが不足している事を意味します。
甲状腺ホルモンが低下すると
・生理の間隔が短くなる
・生理の出血量が多くなる
・月経に異常が起こる
・流産のリスクがある
・むくみ
・汗が少なくなる
・寒がり
・体重増加
・脈が遅くなる
・無気力
・筋力の低下や肩こり
こうした症状が出やすくなります。
TSHが高い(甲状腺ホルモンが少ない)場合は、橋本病と診断され、「チラーヂンS」という薬で甲状腺ホルモンを補うことができます。
逆にTSHが低い(甲状腺ホルモンが多い)場合は「バセドウ病」で、「メルカゾール」といお薬がよく処方されます。
合わせてチェックしたいホルモン数値
・T4(甲状腺ホルモン)
・FreeT3(甲状腺ホルモン)
・FreeT4(甲状腺ホルモン)
AMHの基準値
■AMHの基準値
・27歳以下 6.04ng/mL
・28~29歳 6.15ng/mL
・30~31歳 6.31ng/mL
・32歳~33歳 5.42ng/mL
・34歳~35歳 4.75ng/mL
・36歳~37歳 3.82ng/mL
・38歳~39歳 3.18ng/mL
・40歳~41歳 2.44ng/mL
・42歳~43歳 1.67ng/mL
・44歳~45歳 1.31ng/mL
・46歳以上 1.00ng/mL
AMHは、卵の在庫みたいな数値です。
成長段階の卵胞が出すホルモンで「抗ミュラー管ホルモン」とも呼ばれます。
AMHを調べることで、体外受精の採卵数の目安を知ることができたり、妊活のタイムリミットなどを知る目安となります。
AMHの数値は個人差があり、もともと少ない人もいるようです。
ですのでAMHが少なめでも、FSHなどの数値が正常であれば「妊娠」のチャンスは十分にあります。
逆にAMHの数値が低く、FSHの数値が高い場合は、卵巣機能の低下のサインとなります。場合によっては早めのステップアップが有効です。
合わせてチェックしたいホルモン数値
・FSH
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不妊の情報などは、わかりにくい事が多いです。
検査をしたり、不妊治療を続けていても、ご自身の体の状態のことを理解できていない場合もあると思います。
不安の解決には、現状を知ることも大切な1つです。現状を知ることで、対策も見えてきます。
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