多嚢胞性卵巣(PCOS)とは?

多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)PCOSとは、どんな病気かというと、

通常、健康な状態だと、排卵の時は卵胞は1個だけ20mm程度まで、大きくなって排卵するのですが、多嚢胞性卵巣の方は、いくつもの小さな卵胞ができてしまい卵巣の内側に並んでいる状態になっています。

しかし大きさは4~9mm程度までしか大きくならない事が多く、排卵できていないことが多いのです。

排卵ができないと、精子と出会うことができなため、不妊の原因になってしまいます。
治療法としては、排卵誘発剤である「クロミッド」を使い、排卵を促します。

排卵しにくい病気のため、排卵させることができれば、治療目標は達成とも思えます。

クロミッドが無効の場合には、「プレドニン」を併用してみたりすると、効果的な場合もあります。

また多嚢胞性卵巣はインスリン抵抗性も関与していることがわかり、糖尿病の薬である「メトホルミン」を使うことによって、排卵できる場合もあります。

多嚢胞性卵巣の診断としては、診察で卵巣の画像をみると一発でわかります。

卵胞が丸く並んでいて、ネックレスのように見えるので、ネックレスサインとも言われます。
また血液検査などでは、男性ホルモンの数値が高い場合が多いです。

多嚢胞性卵巣の方は、体外受精をする場合、卵胞の予備軍が多く存在するため、卵巣が腫れるリスク(卵巣過剰刺激症候群)があるため、hMG/FSHの注射をする際には病院の先生も要注意されます。

うまく採卵できても、卵巣が腫れそうな場合は、受精卵を凍結して、ほかの周期に戻す対策もとられます。
多くの場合、クロミッドが主の治療法になるため、
長期的に服用するため、クロミッドの副作用も気になります。

しかし排卵させることも大事なので、上手に病院に通いながら不妊治療を頑張っていかなければなりません。

多嚢胞性卵巣の方でも、妊娠できる方は多いので、諦めずに頑張ってくださいね!

薬剤師:上田康晴

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