子宮内膜症の治療法 不妊対策として
今回は子宮内膜症の治療法について。
前回、子宮内膜症と不妊の関係を書きましたが実は、子宮内膜症の方は多いように感じます。
病院で判明する人もいれば、病院では言われていないけど、子宮内膜症がある・・・という方は意外と多いです。
子宮内膜症の治療法を書きますが、私は不妊相談を専門とする薬剤師で、医師ではないので、違う部分もあるかもしれませんのでご了承くださいませ。
子宮内膜症の治療法(不妊目的)
1)薬物療法
子宮内膜症の薬物療法は、長い目でみるとあまり効果がないと言われます。
しかし、治療前の一時的な薬物療法の使用で妊娠率が向上するデータもあります。
タイミングで狙う方は、薬物療法で排卵を抑えるのはリスク大?
体外受精などの採卵前に、短期的に使うのは有効??
という感じです。
2)癒着剥離などの手術
有効な意見もありますし、そうでない意見もあるようです。
その方の病状の強さ、場所も関係すると思いますのでこのあたりは、病院の先生の指示に従ってください。
3)チョコレート嚢腫の摘出手術
これは、メリット、デメリットがあると思います。
メリット部分は摘出により、卵胞が育ちやすくなるため卵子の質(クオリティ)が上がることが期待でき妊娠率も向上しているようです。
また、チョコレート嚢胞の破裂予防、採卵をしやすくするメリットがあります。
しかし、痛いデメリットとしては摘出により、控えの卵までなくなってしまい卵巣機能の低下、AMHの極端な数値低下が予想されます。
すぐ結果がでればいいが、そうでない場合は閉経を早めるリスクを高めてしまいます。
特に2回目以上の手術で、リスクは高まるようですので早い段階で、妊娠の結果がでると嬉しいですね。
子宮内膜症の体外受精の成功率に関して
子宮内膜症があると、卵子の質が低下しやすいので、子宮内膜症がない方の体外受精の妊娠率と比べると妊娠率が落ちます。
海外の報告では4割くらい落ちるデータもありました。
治療のマニュアルみたいなものもありました。
1)軽度の場合
まずは軽度ならタイミングか人工授精。
結果がでなければ、体外受精(顕微授精)へ。
2)チョコレート嚢腫が大きい場合
チョコレート嚢胞が3~4㎝だと嚢胞摘出したのち人工授精か、体外受精(顕微授精)といった流れみたいです。
子宮内膜症の課題
不妊患者の30%以上に子宮内膜症があると言われていながら、不妊患者の高齢化もある中で全ての人に、診断に有効な腹腔鏡を行うのは、困難なようです。
また最新のガイドラインなどでは、チョコレート嚢腫の摘出を推奨する流れにもなっているようですが、卵巣摘出前から、卵巣機能が低下している方には嚢胞摘出を行わないなども検討する余地はありそうみたいです。
手術後は、妊娠率が向上するが12ヶ月~24ヶ月で妊娠率はもとに戻ると報告がありました。
これは、子宮内膜症は進行性の炎症性疾患であるため術後も、再燃と悪化をくりかえしているためと思われます。
病院の治療以外にも漢方薬が有効な場合もありますのでお悩みの方は、試してみてください。
薬剤師
(日本不妊カウンセリング学会会員)
上田康晴
富山県高岡市大手町11-30
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