高齢の体外受精では、胚盤胞より初期胚?
受精卵を移植する胚移植において、
一般的には、受精してすぐの初期胚よりも5日ほど培養した「胚盤胞」(はいばんほう)の方が妊娠率は高いと言われています。
しかし、体外受精の治療では、日本でトップクラスの「英ウィメンズクリニック」さんの発表によると、
高齢患者さんの、ART(体外受精や顕微授精の事)の対策として、英ウィメンズクリニックさんでは
1)胚盤胞よりも、初期胚移植を選択
2~3日培養したのが、初期胚(しょきはい)
5日ほど培養したのが、胚盤胞(はいばんほう)
2)なるべく顕微授精より、体外受精を選択
3)新鮮胚移植をするために、クロミッドではなくフェマーラを使用
と発表されていました。
これは、私も以外な感想でした。
詳しい理由としては、
高齢患者さんの卵子・胚(受精卵)は外界からのストレスに対して弱いためできるだけ避けることが大事と言われています。
高齢患者さんの新鮮胚移植(採卵した周期にすぐ戻すこと)
では、初期胚移植と胚盤胞移植を比較すると移植率、臨床妊娠率、継続妊娠率において初期胚移植の方が高いそうです。
(これは、私も本当に初耳でビックリ情報でした)
高齢患者さんでも、胚盤胞移植での妊娠も期待できますが、継続妊娠を得るためには体外での培養期間が短い初期胚での移植が高齢の方の卵の場合、有効と発表されてます。
次に、「体外受精(IVF)」か「顕微授精(ICSI)」かですが、日本における体外受精(IVF)と、顕微授精(ICSI)の妊娠率の比較において、2012年の最新データによると、体外受精(IVF)のほうが、妊娠率が高いそうです。
2012年、日本では6割以上で顕微授精が行われたそうですが、これは医師が体外受精をして受精卵がゼロになるのを恐れて・・・と、顕微授精を選択される場合も多いそうです。
たしかに、当店のお客様の話を聞いていても採卵数が少ない場合、「念のため体外受精ではなく、顕微授精すると言われた」と報告を受けることも、多いように思います。
しかし、英ウィメンズクリニックさんの病院内のデータでは40代後半の高齢患者さんは、顕微授精の方が受精ゼロの割合が多いと言われています。
(やっぱり、顕微授精のダメージが関係しているのでしょうか?)
もちろん、精子の状態がわるい場合は、顕微授精になってしまうのですが精子に問題ない場合、高齢の方の場合は、勇気をだして体外受精というのも、1つの選択肢になってきましたね。
さいごに、3場番目の新鮮胚移植(採卵周期に移植すること)についてですがこれも英ウィメンズクリニックさんの話では42歳以上の方の、新鮮胚移植と、凍結胚移植を比較すると、移植率、臨床妊娠率、継続妊娠率において新鮮胚移植が、凍結胚移植よりも上回るデータだそうです。
ただし、通常は高齢者の排卵誘発剤にクロミッドを使用することが多いのですがクロミッドには、赤ちゃんのお布団である子宮内膜を薄くするという、致命的な欠点があります。
ですので、普通なら新鮮胚移植しても妊娠がしにくい方には凍結して、凍結胚移植をするケースが多いのですが
英ウィメンズクリニックさんでは、排卵誘発に、内膜を薄くする副作用の少ないフェマーラ(レトロゾール)を使って、新鮮胚移植に挑む準備で治療されるようです。
フェマーラは、こちら富山の病院でも普通に使用されていますし、こちらをご覧になている、あなた様の県の病院でも使われている薬と思います。
通常は、クロミッド連用の、子宮内膜の副作用対策としてクロミッドの代わりとして、使われたりもするのですが、体外受精の新鮮胚移植のための卵巣刺激にチョイスするのはたしかに、理にかなった方法と言えます。
今回は、面白い報告を、皆様にもお伝えしたい!
と思って、コチラに書きましたが決して、病院の先生とケンカしないように治療してくださいね(笑)
わたしも、あくまでも薬屋の薬剤師にすぎませんので治療の権限は、病院の先生にあるわけですかね・・・。
大事と思うのは、
・いい「情報」を選ぶ
(ネットの稀なケース、ネガティブな投稿は気にしない)
・いい「病院」を選ぶ
(治療レベルの差があります)
・相談にいくなら、いい「薬屋」を選ぶ
(知識の差があります)
・お薬やサプリメントも、いいものの選ぶ
(結果の差があります。信頼できる人、会社が売っているものか?)
あなたにも、いいご縁があることを願っています。
薬剤師:上田康晴
富山県高岡市大手町11-30
不妊相談の専門店
くすりの上田