妊娠を考えている方は、「葉酸」(ようさん)の事も知っておくといいでしょう。

葉酸には、赤ちゃん奇形を減らす効果があり厚生労働省でも、食事に加え健康補助食品で、「葉酸」の追加摂取をあえて勧めております。

今回は、不妊相談の専門店らしく基礎的な、この「葉酸」の話をわかりやすく、ご紹介していきます。

記載の内容は、厚生労働省の資料を基に書かせていただきます。

■妊娠を希望する方の「葉酸」摂取について

近年、先天異常の中で、二分脊椎などの「神経管閉鎖障害」について欧米を中心とした諸外国により、疫学研究が行われ妊娠可能な年齢の女性への「葉酸」の摂取がその発症リスクを軽減することが報告されています。

日本でも、平成11年度の厚生科学研究においてわが国の「二分脊椎」の発症率増加傾向にあることが報告されたこと、さらに今後、食生活の多様化により、食物摂取の個人格差が大きくなり、葉酸摂取が不十分な人が増加する懸念もあることから日本でも葉酸摂取を推奨されるようになってきました。

葉酸とは

葉酸は、水溶性のビタミンで造血に作用します。
不足すると貧血が生じることがあります。

鉄分をしっかり摂取していても貧血になる方は葉酸摂取も検討してみてください。

葉酸は水溶性なので、取りすぎた分は尿から排泄されるため、葉酸過剰で発症する疾患は特に知られておりません。

葉酸は、体内の蓄積性は低く、毎日摂取する必要のある栄養素です。
葉酸は、緑黄色野菜、果物に多いです。

日本での、神経管閉鎖障害の発生率は1998年で1万人に対して、6人と報告されています。

厚生労働省は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害を減らすために、葉酸摂取が重要であるとともに、葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養バランスのとれた食事が大事と言っています。

なお、野菜を350g程度摂取するなど、各食品をバランスよく食べていれば、1日400㎍の葉酸が摂取可能であるが現状では(ここからが大事)食事由来の葉酸の利用効率が確定していないことや各個人の食生活によっては400㎍葉酸摂取困難な場合があることなどから、食品からの摂取に加え健康補助食品(サプリメント)から1日に、400㎍の葉酸摂取を推奨しています。

厚生労働省が、あえて健康補助食品の推奨をするのは、珍しいですよね。

先天異常の多くは、妊娠直後から妊娠10週以前に発生している事から、妊娠がわかってから葉酸摂取をするのは手遅れな感じがあり、よくありません。

食事での葉酸摂取ですが、葉酸熱に弱いため調理で50パーセント近くが分解するか水溶性のため「ゆで汁」に溶出するため、調理で失われやすい成分なのです。

やはり、健康補助食品も有効に使いたいものです。

葉酸の摂取量ですがこれまでの疫学研究では、葉酸摂取量が1日360㎍(0.36㎎)~5000㎍(5㎎)の範囲で神経管閉鎖障害が低減していることがわかっています。

海外の主要国では、1日400㎍~5㎎となっています。

日本では、最少摂取量の400㎍を、食事加え栄養補助食品で補うアドバイスがされています。

最近では、葉酸の取りすぎの問題も注意があり1日1000㎍以下くらいが、丁度よさようです。


今回は、「葉酸」のまとめですが、「葉酸」をはじめ、その他ビタミンなど多くの栄養素が大事ということを、忘れないでいてくださいね。

食事が、パン、ファーストフード、インスタントばかりで、いいかげんな食事が続いている方が葉酸だけ補って、安心してはいけないですよ!

毎日の食事バランスから、改善していきましょう。
栄養を補うポイントは、バランスよく摂取することが大事です。

ある成分だけを、多めに摂取すると、他の栄養素の吸収を邪魔する場合もあり、余計に体の栄養バランスが乱れる原因にある場合もあります。

栄養を摂るなら、理想は食事で補うのが一番の理想形です。

記事担当
薬剤師:上田康晴

富山県高岡市大手町11-30
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