体外受精 採卵方法(種類別のメリットとデメリット)
体外受精をする時は、卵子と精子を出会わせて受精卵を作る必要があるため、卵巣の中から「卵子」を取り出します。これを採卵といいます。
体外受精の採卵方法は、いろいろなやり方があり、それぞれ特徴(メリットとデメリット)があります。
どの採卵方法が、自分に合うかは卵巣機能の状態や、ホルモン数値を目安にしますが、病院の先生の好みや、治療を受ける患者さんの好みもあったりします。
体外受精を検討中の方には、難しい言葉ばかりで、何が何だか、わかりにくいと思いますので、わかりやすく、まとめてみたいと思います。
体外受精の採卵には、大きく分けて、下記のような種類があります。
・ロング法(よく使う)
・ウルトラロング法
・ショート法(よく使う)
・ウルトラショート法
・アンタゴニスト法(よく使う)
・自然周期による採卵法
・クロミフェン(クロミッド)による採卵法(よく使う)
・クロミフェンとFSH/hMG注射による採卵法(よく使う)
などがあります。
種類は多いですが、基本はロング法、ショート法、アンタゴニスト法、自然周期で、あとは、それの応用バージョンと思ってください。
ここでは、よく試される上記の4種類についてまとめていきたいと思います。
■ロング法
体外受精の採卵方法の、一番スタンダートな採卵方法で、採卵できる卵子数も、多く取れることが多い。
治療方法は、生理前の頃から、卵を育てるホルモンを分泌刺激する薬(一般的に点鼻薬)を使い、結果的に、卵を育てるホルモンを一時的に枯渇させる。
そうしておいて、ホルモン調節を病院の管理下に置き、次に、生理3日目頃より、卵を育てる注射をして、卵の成長を促す。適度に育ったら、採卵する。
ホルモンを管理しているので、排卵させるホルモンも同時に抑えている。
(メリット)
採卵できる卵子数が多めなので、たくさん取れれば痛みの伴う採卵を毎回しなくてよい。
採卵数が多く取れる傾向があるので、1採卵あたりの妊娠率は高い。
(デメリット)
卵巣機能の落ちている方には適さない。
(卵巣機能が落ちてきている場合は、ショート法か自然周期にする)
卵を育てる注射を、10日ほどする必要があるので通院が必要である。
自己注射する方法もある。
採卵周期の前に、1周期ピルを使い、卵巣を休めてから治療を行う場合もある。また、卵巣刺激をするので、卵巣刺激に過敏な方は卵巣が腫れるリスクがある。(一部の方だけの話)
■ショート法
卵巣機能が少し落ちてきた方の採卵方法。
ロング法と似た治療法なのですが、薬を使う期間が少し短いだけ。
生理が始まってから薬を使い始める。
治療方法だけみれば、薬を使う期間だけの差ですがこの場合は、卵を育てるホルモンが卵胞成長の時期に、ホルモン枯渇をまだ起こさず一時的に強めに分泌されます。
これをフレアアップといい、卵巣機能が落ちた方の後押しになるのです。その後は、同様に弱くなっていきます。あとは、卵が育ったころに採卵です。
(メリット)
ロング法が使えない方でも、比較的、多めの採卵が期待できる。
もし、卵子がたくさん取れれば、毎回採卵しなくていい。
(デメリット)
ロング法と同様、卵巣刺激に過敏な方は、注意が必要。
ロング法があっている方とは違い、ショート法は卵巣機能が少し落ちてきた方の、採卵方法なので場合によっては、この方法でもたくさん取れない場合もある。
卵巣刺激をするこの方法は、毎月は行わない。
■アンタゴニスト法
ロング法やショート法は、卵を育てるホルモンを分泌刺激する薬を使うのに対しアンタゴニストは、直接ホルモンを抑える薬。
正反対の作用の薬を使うわけです。
(メリット)
ロング法と違い、素早くホルモンを抑えるので、長期的に薬を使わなくていいので、患者さんのストレスや負担が少ない。
ロング法に比べ、卵巣の反応性が良好という報告もあり。
(デメリット)
2006年に日本に導入されたばかりの治療法で、実績や症例が少なめ。
■クロミフェンによる卵巣刺激法(自然周期)
タイミング療法などを経験された方には、馴染みの薬です。
排卵誘発剤を使った、体外受精の方法です。
排卵誘発剤も使わないのが、純粋な自然周期法ですがクロミフェンを使う、自然周期の変法のこのやり方がよく試されています。
クロミフェンの内服の代わりに注射でやる場合もあります。
ロング法、ショート法、アンタゴニスト法の体外受精と違い、ホルモン刺激が少ないため、体にやさしい体外受精と説明がある場合もある。
体の負担の少ない治療法ということで、自然周期法やクロミフェンによる採卵法を選ばれるケースもあれば、卵巣機能が落ちて、他の採卵方法(ロング法、ショート法)では、採卵できる見込みがすくないため、消去法でこの方法が選ばれる場合もあります。
卵巣機能が落ちている場合、ロング法、ショート法ではうまく採卵できない場合が多いためです。
(メリット)
卵胞を育てる注射に毎日、通院する必要もなく、検査も少ないので時間の負担や、治療費も節約になります。
また、卵巣刺激の負担が少ないので、毎月でも治療は可能。
(デメリット)
採卵できる卵が、通常1個、多くても2~3個です。
そのため、採卵1回あたりの妊娠率は低くなります。
またホルモン制御をしていないため、予想より早く排卵が起こり、採卵しようとしたときに、すでに排卵した後で卵子がとれない事もあります。
また時期が早すぎて、卵子が未熟な場合もあります。
また、採卵1回あたりの採卵数や、妊娠率が他の採卵方法と比べ低いため、回数を重ねることが多くクロミフェンの副作用で、内膜が薄くなり着床しにくいことも問題となる。
■まとめ
病院では体外受精の際、ホルモン補充など、できるだけの対策をしてくれますが、それ以上の事はできないのが現状です。
それ以上の事は、自己努力で、自分の体を良くしていって、少しでも、卵巣の状態をよくして、卵胞の育ちを良くすることが肝心です。
当店では、何度も体外受精をしていても
いい卵がとれない・・・と相談を受けた方に「お灸」や「薬」などを飲んでもらっていますが、
手当する前より、「いい卵がとれて妊娠できた~」と報告もたくさん、いただいております。
なかなか結果がでなくて、悩んでいる方は同じ事を繰り返すのではなく、少しでも体作りをして再チャレンジしてみてください。
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