凍結胚移植とは
凍結胚移植とは、体外受精で採卵した卵を、そのままその周期に戻すのではなく、一度凍結する方法をいいます。
それを別の周期に戻すやり方が「凍結胚移植」です。
それとは対照に、その周期にすぐ戻す方法は「新鮮胚移植」とも言われます。
凍結胚移植のメリットは
何回も新鮮胚での移植をして結果のでない方が、凍結胚移植をすると妊娠率UPが期待できます。
卵巣機能が若い方であれば一度の採卵で多くの卵が取れるため、新鮮胚でその周期に戻しても、まだ受精卵が余るので、自然に次回からは「凍結胚移植」になります。
しかし、卵巣機能が落ちてきている方では、一度の採卵で多くの卵がとれないため、毎回その周期に戻すだけの新鮮胚移植しか試されていない方もいると思います。
また卵巣機能が元気である方も、最近では体に負担をかけない治療ということで、自然周期での採卵を好まれる病院や患者さんも多くいるように思います。
自然周期の採卵では、もともと数が取れない方法なので、これもまた新鮮胚移植のくり返しで治療されているケースも多いと思います。
では、なぜ新鮮胚移植より、凍結胚移植がいいと最近、言われてきたのでしょうか?
その理由としては、採卵周期での移植では
1)内膜が薄くて着床率ダウン
採卵する治療の副作用で、子宮内膜が薄くなっている可能性がある
2)着床しやすい期間がズレながら移植する
着床の窓といわれる、内膜の着床しやすい期間が、採卵の治療の影響でズレるといわれています。
内膜には「着床の窓」といわれる、着床しやすい期間があると報告されています。
自然妊娠の場合、卵胞が育ってくることによりホルモンの分泌量に変化が生じ、その変化を読み取って子宮内膜は受精卵がやってくる時期を予想して、その頃(数日間)に着床しやすくしていると言われています。
しかし、採卵周期の場合、通常より多くの卵胞が育つため、ホルモンの分泌量にも違いが生じてきます。
そのため内膜が着床しやすくする期間の予測違いが発生し、治療していない周期よりも、この妊娠しやすい期間が早まると言われます。
なので採卵周期に受精卵を作って、移植しても、この着床の窓に間に合わなくなる可能性が出てくるのです。
そこで凍結胚移植で別の周期に戻すことにして、ホルモンバランスをコントロールしながら、正常な着床の窓の期間に移植できるメリットが凍結胚移植にはあるのです。
新鮮胚移植、つまり採卵周期での移植でも、これまでの不妊治療の成績をみても多くの妊娠例があります。
なので新鮮胚移植が劣っているというわけではありません。
しかし何回も移植しているのに着床しない・・・という方は、
今回ご説明した内容のメリットがあるため、凍結胚移植も意識してみてください。
採卵できた卵が少ない場合でも、あえてその周期に戻さず、一度凍結して移植するのもいいでしょう、
また凍結胚をいくつか溜めることにより2個戻しなどの治療法の選択肢も増えていきます。
通院中の病院の先生とも、よく話し合って決めてみてください。
また現在の病院で納得のいく治療ができない場合は、転院も候補になるかもしれません。
ご夫婦での話し合い、病院での話し合いで、しっかり治療法を決めていきましょう。
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薬剤師:上田康晴
富山県高岡市にある 創業60年の薬屋
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くすりの上田
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