体外受精の副作用 OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になったら
体外受精の副作用として、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)があります。
OHSSになりやすいタイプ
・PCOS(多嚢胞性卵巣)の傾向のある方
(たくさんの卵胞が一気に大きくなるため)
・OHSSの既往歴のある方
こちらの方は、体外受精の時にはリスクが高い事を覚えておいてください。
また、35歳以下の若い方(卵巣に元気のある方)、やせ型(排卵誘発剤の反応が良好な場合が多い)の方もリスクが高いと言われます。
さらに大小不同の多数の卵胞が育っている時や、血中卵胞ホルモンの上昇や高値の場合も要注意です。
病院の先生も、これらには十分注意して、卵胞刺激していくのですが、どうしてもOHSSの症状が出てしまう方がいらっしゃいます。
症状としては、多くの卵胞が育ってしまう結果、卵巣が腫れて、腹水が溜まったり、お腹が痛くなったりします。
体内の血液中の血漿成分が腹腔内に漏れ出すため、腹水となり、結果、血液は濃縮されて凝固しやすくなります。
そのため、血栓症、腎不全を併発して、オシッコが出にくくなります。
OHSSの対策
オシッコが少なくなり(乏尿)、血液が濃縮され凝固しないように、絶えず水分をしったり摂って、血液の流れを良くしておく必要があります。
また、腫れあがった大きくなった卵巣が、ねじれないように、安静にしておくことが大切です。
決して運動などしないようにしておきましょう。
入院も状況応じて必要と思いますので、体外受精で採卵付近や採卵後に、体調不良があった場合は、面倒くさがらずに、病院の先生に相談してみてください。
一般的にOHSSの予後として
1)妊娠が成立した場合
着床することによって、hCGが分泌されるため、卵巣はさらに腫れあがり、腹水も溜まり、お腹がパンパンになってくると思います。
妊娠8週~10週頃になれば落ち着いてきますので、それまでの辛抱となります。(病院との連携を!)
2)妊娠しなかった場合
妊娠していない場合は、月経と同時に卵巣は急激に小さくなっていきます。
腹水も小さくなっていきます。
あなたに、かわいい赤ちゃんがやってくるのを心より応援しています。
薬剤師:上田康晴
富山県高岡市大手町11-30 (高岡大仏の真横)
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