アトピー性皮膚炎 妊娠中の薬の影響は?


アトピー性皮膚炎 妊娠中の薬の影響は?

アトピー性皮膚炎の方は、妊娠中の薬が「胎児」に影響がないか、心配されていると思います。

できれば妊娠中は薬を「飲みたくない!」と思っていると思います。
ですがアトピーの痒みは、そう簡単に我慢できるものではありません。

そこでアトピー性皮膚炎でよく処方される「抗ヒスタミン剤」「抗アレルギー薬」と妊娠中の影響について、解説していきます。


痒み止めの内服薬は、妊娠中に服用していいか?

「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」によると「妊娠中の抗ヒスタミン薬投与は、治療上の有益性が大きい場合には安全とされている薬剤の投与を行ってもよい」と記載されています。

安全とされている「内服薬」
・ロラタジン(薬剤名:クラリチン)
・セチリジン(薬剤名:ジルテック)

※100%安全という意味ではありません。

(文献)
・Murase JE, Heller MM, Butler DC: Safety of dermatologic medications in pregnancy and lactation: Part I.Pregnancy, J Am Acad Dermatol, 2014; 70: 401 e1―14;quiz 15.
・Butler DC, Heller MM, Murase JE: Safety of dermatologic medications in pregnancy and lactation: Part II.Lactation, J Am Acad Dermatol, 2014; 70: 417 e1―10; quiz27.
・Chi CC, Kirtschig G, Aberer W, et al: Evidence-based(S3)guideline on topical corticosteroids in pregnancy,Br J Dermatol, 2011; 165: 943―952.

製薬メーカーの添付文書には、どう書いてある?

クラリチン
販売元:塩野義製薬
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。動物試験(ラット、ウサギ)で催奇形性は認められていないが、ラットで胎児への移行が報告されている。
→クラリチン添付文書(薬の説明書)

ジルテック
販売元:第一三共株式会社
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。
→ジルテック添付文書(薬の説明書)

自己判断せず、病院の先生に確認する

痒み止めの「抗ヒスタミン剤」や「抗アレルギー薬」を、妊娠中に服用する場合は、必ず病院の先生に確認するようにしてください。

また「保湿対策」で肌の状態を良くすると、アトピーは悪化しにくいので、正しいスキンケア対策も意識していきましょう。当店でも評判のスキンケアシリーズを取り揃えています。(ネット販売もしています)肌バリアの低下が、痒みの原因となっています。
詳しくは下記の記事もご参考ください。

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記事担当:薬剤師(上田康晴)

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