アトピー性皮膚炎の肌は、機能が低下している


アトピー性皮膚炎の肌は、機能が低下している

アトピーの対策として、スキンケア(保湿)は必須です。

「脱保湿」の考え方も一部でありますが、ある時期に一時的に行う分には、最低限アリなのかもしれませんが、「日本皮膚科学会」では、推奨はされていないです。

当店でもアトピーのアドバイスで「脱保湿」はお勧めしていないです。

アトピー性皮膚炎の肌は、機能が低下しているので、肌のバリアを作ることが、悪化予防につながります。わかりやすく解説していきますね。
(記事参照元)
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン


アトピー悪化の原因は「肌」の弱さ


肌

【アトピー性皮膚炎 痒くなる原因】
1)角層(角質層)の異常
2)表皮の異常
3)肌バリアの低下が炎症を起こす
4)乾燥、炎症が痒みを引き起こす


角層の異常
(アトピー悪化の原因 その1)


アトピー悪化の原因 その1

角層(角質層とも呼ばれます)は、皮膚の表面、最外層に存在します。
厚さ 10~20 μm の薄い膜状で、十数層の「角質細胞」と、その間を埋める「角質細胞間脂質」により構成されています。

【角層の役割とは?】
・体液の漏出防止
・角層内水分保持
・肌バリアを形成する


肌のバリア層が弱くなると、「炎症」や「免疫の過剰反応」が起こりやすくなります。

アトピー性皮膚炎の方は、角層の弱りが報告されています。

(文献)
・Cabanillas B, Novak N: Atopic dermatitis and filaggrin,Curr Opin Immunol, 2016; 42: 1―8.
・Kono M, Nomura T, Ohguchi Y, et al: Comprehensive screening for a complete set of Japanese-population-specific filaggrin gene mutations, Allergy, 2014; 69: 537―540.


表皮の異常
(アトピー悪化の原因 その2)


アトピー悪化の原因 その2

表皮も重要な皮膚の「バリア機能」を果たしています。

表皮細胞間には隙間のないよう「細胞間接着構造」があります。

「細胞間接着構造」は、体内外の物質の移動を制御していますが、アトピー性皮膚炎患者ではこの「制御の働き」が弱いと報告されています。

それにより、肌の外側からの影響を受けやすくなります。

(文献)
・De Benedetto A, Rafaels NM, McGirt LY, et al: Tight junction defects in patients with atopic dermatitis, J Allergy Clin Immunol, 2011; 127: 773―786.
・Tokumasu R, Yamaga K, Yamazaki Y, et al:Dose-dependent role of claudin-1 in vivo inorchestratingfeatures of atopic dermatitis, Proc Natl Acad Sci U S A,2016 12; 113(28): E4061―4068.


肌バリアの低下が炎症を起こす
(アトピー悪化の原因 その3)


アトピー悪化の原因 その3

「角層」や「表皮」の弱りが、肌のバリア機能を低下させてしまいます。

通常であれば、自分の体の成分でない抗原(アレルゲン)は、健康な肌からは侵入しにくく、悪影響は起こしにくいです。

ですが「アトピー性皮膚炎」の方の肌は、簡単に肌の内部に接触を許し、「化学伝達物質」や「免疫成分」を放出して、免疫反応を起こさせてしまいます。

肌バリアが弱いので、「ダニ」に対しても、免疫反応を起こしやすくなります。


乾燥、炎症が痒みを引き起こす
(アトピー悪化の原因 その4)


アトピー悪化の原因 その4

アトピー性皮膚炎の方の、皮膚病変部から「化学伝達物質」など、痒みを引き起こす様々な物質(起痒物質)が放出されるので「痒み」が起こります。

また痒くて肌を「掻きむしる」行動は、さらなる皮膚炎の悪化を導くと報告されています。

さらにアトピー性皮膚炎などの「慢性炎症」では、皮膚の感覚過敏が生じていると言われます。

感覚過敏の原因としては、「乾燥」や「炎症」に伴い、皮膚知覚神経が「皮膚表面」の角層直下にまで伸長することも一因とされています。

(文献)
・Tominaga M, Takamori K: Itch and nerve fibers with special reference to atopicdermatitis: therapeutic implications, J Dermatol, 2014; 41: 205―212.


またアトピー性皮膚炎の方は、下着や服と「肌」がこすれ合う部分が、悪化しやすかったりします。

この原因として、アトピー性皮膚炎では「痛覚」あるいは「熱痛覚刺激」が、痒みを誘導する部分がある事が関与していると思われます。

(文献)
・Murota H, Izumi M, Abd El-Latif MI, : Artemin causes hypersensitivity to warm sensation, mimicking warmthprovoked pruritus in atopic dermatitis, J Allergy Clin Immunol, 2012; 130: 671―682.
・Ikoma A, Fartasch M, HeyerG, et al: Painful stimuli evoke itch in patients with chronic pruritus: central sensitization for itch, Neurology, 2004; 27: 212―217.
・Murota H, Katayama I: Evolving understanding on the aetiology of thermally provoked itch, Eur J Pain, 2016;20: 47―50.


やっぱり肌の保湿が大事である


肌の保湿が大事

「保湿」か「脱保湿」か?

こうした意見の対立があったりもしますが、当店では圧倒的に「保湿」をしたほうが「アトピー性皮膚炎」の方の症状は軽くなっていくと実感しています。

肌に合うクリームを選ぶのも大事です。

現在、保湿のクリームを使っていても、症状が良くなっていない場合は、他のものに変えてみる事も検討すると良いと思います。

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