出生前診断【羊水検査・新出生前診断】検査の時期と的中率
出生前診断は、以前は「羊水検査」が主流でした。
しかし最近では「新出生前診断」が話題になっており、羊水を採取しなくても母親の血液から診断できるため、注目を浴びています。
じつは、この新出生前診断には、大きな「落とし穴」があるのです。
コレ知らずに新出生検査を受けることは、大変怖い事だと私は感じます。
これから受ける予定のある方は、是非最後までお読みください。
検査を受ける私達には、知らなければならない事実があるのです。
新出生前診断の詳しい話の前に、今までの「羊水検査」とは、何がどう違うのかを先にご紹介したいと思います。
■羊水検査(従来の方法)
【検査する時期】
妊娠15週~18週あたり
【方法】
母親のお腹に針を指して、羊水を採取して検査をします。
【安全性】
300回に1回(0.3%の確率で)、流産の危険性があります。
【精度】
ダウン症かどうか、100%わかる
■新出生前診断
【方法】
母親の血液を採取して調べれて手軽
【安全性】
流産の危険性なし
【精度】
ダウン症が99.1%検出できる
これが、従来の羊水検査と、新出生前診断の違いになります。
こうみると一見、新出生前検査の方が手軽で、安全性も高いので、羊水検査より新出生前診断の方が良いように見えるとおいます。
精度も100%も99.1%もそんなに変わらないと思われると思います。
しかし、これが大きな落とし穴となっているのです。本当に怖い真実が隠れています。
これから新出生前診断の危険性を詳しくご説明していきたいと思います。
まず問題です。
新出生前診断の精度が99.1%として、35歳の方が診断を受けたとします。
その結果、「陽性」と診断された場合、この方のお腹にいる赤ちゃんのダウン症の確率は何%と思いますか?
普通に考えると、99.1%と思いますよね?
これが怖い落とし穴で、本当の答えは60%なのです。
どうして、この数値になるのか、今から解説していきます。
新出生前診断の感度は98.6%、特異度は99.8%と報道されています。
感度98.6%とは、赤ちゃんがダウン症であった場合、陽性になる確率が98.6%という意味です。
特異度が99.8%というのは、赤ちゃんがダウン症でなかった場合、陰性と出る確率が99.8%ということです。
ここからが、計算の始まりですが、35歳の方のダウン症の確率は0.3%と言われています。
そこで、1万人の35歳の妊婦モニターがいたとします。
この中でダウン症の子は30人の計算になります。
(35歳の妊婦の約0.3%がダウン症の子を出産しているデータから)。
そしてその30人のダウン症を持つ母親のうち検査で陽性と出るのは感度が98.6%なので実際に検査結果では29.6人という計算です。
次に、忘れていけないのが、本来であればダウン症でない残りの9970人の母親です。
特異度(陰性の方が陰性となる確率)が99.8%なので、検査をしてキチンと陰性と出るのが9950人になります。
つまり20人は、本来はダウン症でないのに検査では「陽性」と出てしまうのです。
怖いですよね~、健康な赤ちゃんを産まない可能性が出てきています。
先ほどの計算に戻りますが、35歳の方がダウン症の検査が陽性と出た場合、実際にダウン症の確率は、29.6人を(29,6+20)人で割る計算になります。つまり60%です。
この問題では35歳だったので60%でしたが、年齢ともにダウン症の確率は上がっていき、40歳では1%の確率でダウン症と言われていますので、この問題が40歳になれば分母が大きくなるため、特異度側の影響が少なくなるため、的中率は84%くらいになります。
つまり若い人ほど、ハズレの要素が大きくなり、40を過ぎてこれば、どんどん的中率が高くなっていくと考えられます。
ただし的中率100%でない事だけ知っておいてくださいね。
(羊水検査は100%)
この事実は、どれだけの患者さん、又は、医療関係者、報道者の方が理解しているのでしょうか?
陽性と言われても確率60%、その時あなたはどうしますか?
産みますか?
それも考えないで、受けるのって、怖くないですか?
参考までに、検査のできる時期は、羊水検査が15週~18週、新出生前診断は10~22週で検査ができます。
ブームや、話題に振り回されなく、ちゃんとした知識を持って、判断する事も私達の義務のように感じます。
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