プロトピック軟膏「副作用」や「効果」痒み・赤み・ヒリヒリ
こんにちは、薬剤師の上田康晴です。
プロトピック軟膏は使い始めは「副作用」が出やすいので、心配される方も多いと思います。
そこで「プロトピック軟膏」の知っておきたい情報をまとめてみました。
よかったら参考くださいませ。
・もくじ
・プロトピックの効果
・プロトピック軟膏の使い方
・プロトピック軟膏の強さ
・プロトピック軟膏の特徴
・プロトピック軟膏を使用できない人
・妊婦、産婦、授乳婦等への使用
・プロトピックの副作用
・プロトピック軟膏が眼に入ったら
この８つを解説していきます。
この記事は創業７０年の薬屋が書いています。
記事担当：薬剤師（上田康晴）
・薬学部卒業後、病院に１年勤務
・薬屋でアトピー相談を１０年
・娘のアトピー完治を経験
■記事の信頼性・信憑性
（記事参照元）
・日本皮膚科学会ガイドライン
・プロトピック軟膏の添付文書
・プロトピック発売元メーカーの小冊子
プロトピックの効果
■プロトピック軟膏0.1％
■プロトピック軟膏0.03％小児用
【効能・効果】
アトピー性皮膚炎
【有効成分】
タクロリムス水和物
ステロイド外用薬とは異なる作用の「抗炎症作用」があります。
プロトピック軟膏の使い方
1日1～2回、適量を塗る。
1回あたりの塗布量は5gまで。
子供の塗る量の目安
（1回塗布量の上限）
・2歳～5歳（20kg未満）：1g
・6歳～12歳（20kg以上50kg未満）：2g～4g
・13歳以上（50kg以上）：5g
子供に使用する場合は、必ず「プロトピック軟膏0.03％小児用」を使用してください。
子供に大人用の「プロトピック軟膏0.1％」は使用不可！
プロトピック軟膏を、1日2回塗布する場合は、およそ「12時間」間隔で塗布する。
プロトピック軟膏の強さ
炎症を抑える効果は、ステロイド剤に例えた強さは、マイルド、ストロングの強さに該当すると言われています。
ステロイド剤の強さ
１）ストロング
２）ベリーストロング
３）ストロング（←プロトピック）
４）マイルド（←プロトピック）
５）ウィーク
プロトピック軟膏の特徴
プロトピック軟膏の「有効成分」の粒の大きさは比較的大きめです。
そのため皮膚の、「アトピー性皮膚炎」の状態の悪い部位からは吸収されますが、正常な皮膚からは「ほとんど吸収されない」と考えられています。
プロトピック軟膏の有効成分である「タクロリムス」は筑波山麓の土壌から発見されたそうですよ。
プロトピック軟膏を使用できない人
■禁忌（次の場合には使用しないこと）
潰瘍、明らかに局面を形成して「ただれ」ている部分。
高度の腎障害、高度の高カリウム血症のある方は、腎障害、高カリウム血症が増悪する可能性がある。
全身の皮膚が赤くなり、魚のうろこ状やさめ肌状になっている場合（魚鱗癬様紅皮症）は、経皮吸収が高く、プロトピック軟膏の血中濃度が高くなり、腎障害等の副作用が発現する可能性がある。
低出生体重児、新生児、乳児、2歳未満の幼児は使用経験がなく、安全性は確立していない。
PUVA療法等の紫外線療法を実施中の人。
■原則禁忌（必要な場合は慎重に使用）
皮膚感染症を伴う場合は皮膚感染症が増悪するおそれがあるので注意して使用する。
プロトピックの副作用
【多くの方に出る副作用】
使い始めに「プロトピック軟膏」を塗ったところが、ヒリヒリしたり、ほてったり、痒くなったりします。1週間ほどで感じられなくなってきます。
■成人の副作用（臨床試験データ）
成人1,230例中819例（66.6％）に副作用が認められた。
【主な副作用】
熱感545例（44.3 ％ ）、疼痛290例（23.6％）、そう痒感117例（9.5％）、毛嚢炎77例（6.3％）、ざ瘡48例（3.9％）、カポジ水痘様発疹症26例（2.1％）、単純疱疹19例（1.5％）であった。
市販後の調査では、5,383例中1,637例（30.4％）
■小児の副作用（臨床試験データ）
356例中220例（61.8％）に副作用が認められた。
【主な副作用】
疼痛130例（36.5％）、熱感58例（16.3％）、毛嚢炎30例（8.4％）、そう痒感28例（7.9％）、伝染性膿痂疹18例（5.1％）であった。
プロトピック軟膏 妊婦、産婦、授乳婦等への使用
■妊婦、産婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
動物実験（ウサギ、経口投与）で催奇形作用、胎児毒性が認められたとの報告がある。ヒト（経口投与）で胎盤を通過することが報告されている。
■授乳婦
母乳中へ移行する可能性があるので使用中の授乳は避けさせること
プロトピック軟膏が眼に入ったら
もし眼に入った場合は、刺激感を認めることがあるので、直ちに水で洗い流しましょう。
洗い流した後にも、目の刺激感が持続する場合は、早めに医療機関に受診するとよいでしょう。
プロトピック軟膏 市販で売ってるの？
プロトピック軟膏は「処方箋医薬品」であるため、医師の指示のもと処方されます。
ドラックストアや薬局など、市販では販売はされておりません。
必要な場合は皮膚科に行って、処方してもらいましょう。
プロトピック軟膏の「まとめ」
プロトピック軟膏を塗った場合、ほとんどの人に次のような症状が出ます。
・ヒリヒリ
・熱い
・痛い
・痒い
こうした症状は、多くの場合は「１週間くらいで落ちついてくる」と報告されていますので、それまでは我慢するしかないようです。
プロトピック軟膏を、いきなり「広い範囲」に塗ると、刺激を強く感じることがあります。
使い始めは狭い範囲から開始して、刺激に慣れてきたら徐々に塗る範囲を拡げていくなどの方法もオススメです。
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