妊娠を希望される方にとって、重度のチョコレート嚢胞(子宮内膜症)は、大きな悩みとなっているでしょう。

場合によって、手術を優先的に勧められるかもしれませんし、先生によっては体外受精を優先する場合もあると思います。ではどちらが正しいかというと、やはり状態によって違いますので、悩むところではあります。

参考までに、「結果の出せる不妊治療」著:日本生殖補助医療標準化機構の、本の中で、このケースの説明があったので、紹介しておきます。


チョコレート嚢胞を合併した不妊患者への対応に、いまだ統一された見解はない。子宮内膜症の存在が、卵子の質に影響を与えるという報告や、チョコレート嚢胞の癌化の可能性から手術療法を選択されることも多い。

しかし、嚢腫摘出後に体外受精を行った場合、採卵数の減少や、卵子の著明な質的低下に数多く遭遇する。嚢腫摘出による原始卵胞の減少に伴う、卵巣予備能の低下は明白であり、また、手術時の電気焼灼やレーザー蒸散などによる卵子に対する熱の影響から、卵子の質的低下を多いに懸念している。

これらの点を踏まえ、チョコレート嚢胞の急激な増大、画像診断の嚢胞内充実性部分の存在、腫瘍マーカーの上昇など、悪性化を疑う所見がなければ、体外受精を優先し、子供が生まれた後に、必要であれば外科的対応を考えるべきであると考えられる。

また、手術を優先すべき症例では、小開腹手術を行い、嚢胞だけを丁寧に摘出することで可及的に卵巣予備能の低下を防ぐとともに、電気焼灼やレーザー蒸散の使用を控えることで卵の質的低下を防ぐべきと考えている。その上で、可及的速やかに体外受精を行うべきであろう。


このように、本に書いてありました。

手術が先か、体外受精が先かは、先生の判断にもよりますが、その決断の時には、念を押して「子供を授かりたいです」という思いはしっかり伝えておいたほうがよさそうですね。

赤ちゃんがやってくるのを、応援しています。




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