アトピーの新薬 痒み対策「ネモリズマブ」効果と副作用を解説
ネオリズマブについて
アトピー治療に新しい波がやってきました。
アトピー治療 第1世代
・ステロイド剤のみ
アトピー治療 第2世代
・ステロイド剤
・プロトピック併用
アトピー治療 第3世代
・ステロイド剤
・プロトピック軟膏
・コレクチム軟膏
痒みの発生を抑えるお薬が現在、第3臨床試験の研究データが発表されました。
(2020年7月9日)
その薬の名前は「ネモリズマブ」。
月に1回(4週間ごとに)、皮下注射で投与するお薬で、痒みの発生が低下しているデータが報告されています。
ネモリズマブの効果
臨床試験でのデータでは、13歳以上のアトピー性皮膚炎の患者さんに、ネモリズマブを注射したところ4か月後(16週後)に、痒みの度合75.4%あったのが、マイナス42.8%の変化が出たようです。
これはツライ「痒み」の対策に希望がもてるお薬となるようです。
アトピー性皮膚炎を直接治すお薬ではありませんが、アトピー性皮膚炎は掻くと悪化しやすいので、悪化予防にも期待がもてそうです。
ネモリズマブの副作用
気になるネモリズマブの副作用ですが、第3臨床試験での報告を見ると、
・メニエール病
・急性膵炎
・アトピー性皮膚炎の悪化
が報告されていました。
(あくまで臨床試験中でのデータ報告)
ネモリズマブの副作用で頻度の高かったのが、「アトピー性皮膚炎の悪化」だそうで、ネモリズマブを投与群の24%で発現した様子です。
これは気になる数値で、
■痒みの改善度がマイナス42.8%に対し、
■アトピー悪化の発現率が24%。
これを、どう考えるか難しい課題になりそうです。
発売までに改善もあると思いますので、そちらにも期待したいと思います。
(記事参照元)
マルホ株式会社 Newa Release
(2020年7月9日)
記事担当
薬剤師:上田康晴
アトピー相談の専門店
くすりの上田