魔法のお薬とも例えられる「ステロイド剤」。便利で効果の高いお薬です。
どんな病気でも、ステロイド剤はとっておきの最終手段になる事が多いです。その反面「ステロイド剤」の副作用を気にされる患者様も多い現状です。

薬屋さんの薬剤師が、素直な感想を書かせてもらいます。(あくまで個人の感想です)


ステロイド剤は安全か?


ステロイド剤は、この世の中に登場して良かったお薬と、薬剤師の立場から見ても本当に思います。
重度の病気には、欠かせないお薬で、体調コントロールにも大事なお薬です。
病気の原因が追究できない症状についても、ステロイドが有効が場合も多いです。

でも、治療のレベルアップに関与しているかは微妙で複雑な思いです。
ステロイド剤で病状が一時的に抑えられるので、本来の病気が発症しない治療への道が各分野で遅れているのでは?と個人的には思います。

難治性の病気に対して、病院の先生でも、ステロイドを気軽に処方されるドクターもいれば、できるだけステロイドを使わずにコントロールしたらいいと思うドクターもいます。
ステロイド治療によって、病状が重症化していく病気もあると思います。

この薬さえ処方すれば、飲んでくれれば、塗ってくれれば、病気は治るといった薬があれば、ドクターも気楽と思います。でも難治性の病気って、そういう薬がなかったり、現状維持のためのお薬であったりします。

治療マニュアルにそって、処方(治療)すればドクターへの医療ミス、治療への起訴もないため、気は楽かもしれません。

話は抗生物質に変わりますが、風邪にしたって、日本では抗生物質がよく処方されますが、海外ではあまり抗生物質は処方されません。なぜなら風邪に効果がないから。
抗生物質は菌に効果がありますが、ウイルスには効果がありません。風邪のほとんどが菌の感染でウイルスにはないからです。

でも日本は昔の風習なのか、なぜか抗生物質が処方されます。念のための処方、風邪の悪化からくる菌の二次感染の予防に。風邪に効果はないけど、抗生物質も一緒に出しておけば、今の症状が風邪でなくても、もしもの対策に安心、または風邪をこじらした場合でも、念のため抗生物質を出しておけば安心みたいな・・・。

最近では若いドクターは気軽に抗生物質を処方しない先生も増えてきたように思います。日本は世界の抗生物質の使用量の7割を消費していると聞いたことがあります。抗生物質大好きなんですね。患者さんが抗生物質が処方されないと、不満に思う方も多いです。この矛盾を多くの方に知っていただきたと私は思います。
抗生物質の耐性菌の問題は世界的な課題となっています。日本の過剰な抗生物質の使用も定期的に問題視されています。

病院の治療や、処方箋でも抗生物質やステロイド剤はよく出ますが、でもドクターや薬剤師は意外と、抗生物質やステロイド剤は気軽に自分には使いたくないと思っている人が多いように思います。(注:あくまで私の回りにいた薬剤師、ドクターの少ない意見での推測です)

特に薬剤師(あくまでも個人の感想です)は抗生物質の効果を知ってますから、風邪の時に抗生物質は飲みたくないと思う方が多いんですね。そもそも風邪に抗生物質は効果がないし、腸内の善玉菌も抗生物質で殺してしまって腸内免疫のバランスも崩れ、デメリットが多いように感じるからです。でも病院の治療を否定しているわけではありませんよ!

話を戻しますが、難治性の疾患は完治しにくいから難治性なのであって、一般的な治療法や、すぐ症状を抑えたら最善の治療に繋がるかは別の話で、どうした治療をするかがドクターの腕の見せ所でもあると思いますし、だからこそドクターは大変な仕事と思います。薬剤師の立場としてもドクターは尊敬できる存在です。

場合によってステロイド剤は有効なお薬です。
副作用もたくさん報告もありますが、病状を一気に抑えてくれるお薬です。
大事なのは、いつ、どう使うか、どれだけの期間使用するかが大切です。

ステロイド剤の副作用



●特に注意すべき副作用(高頻度かつ重症化)
・感染症の誘発、増悪
・骨粗鬆症、骨折
・幼児・小児の発育抑制
・動脈硬化病変(心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤、血栓症)
・副腎不全、ステロイド離脱症候群
・消化管障害(出血、潰瘍、閉塞)
・糖尿病の誘発、増悪
・精神変調、うつ状態

●他の注意すべき副作用
・生ワクチンのよる発症
(全身投与のステロイドの場合は生ワクチン接種は禁止ですのでご注意ください)
・不活化ワクチンの効果減弱
・白内障、緑内障、視力障害、失明
・高血圧、浮腫、
・うっ血性心不全、不整脈
・脂質異常症

●高頻度の軽度副作用
・異常脂肪沈着(中心性肥満、満月様顔貌、眼球突出)
・多毛症、座瘡、皮膚萎縮、皮下出血、発汗異常
・月経異常
・食欲亢進、体重増加
・白血球増加

●稀な報告例、因果関係不詳の副作用
・アナフィラキシー様反応、過敏症
・カポジ肉腫
・気管支喘息、喘息発作
・ショック、心破裂、心停止
(参考本:今日の治療薬)

いろいろあります。こうした副作用は内服薬で多く、皮膚炎などで外用薬で局所的に使う場合は、副作用の出る種類や頻度はぐっと減ります。

薬剤師は、どうしてもこうした情報もチェックするので薬の専門家ではありますが、薬嫌いな方が多いのです。


まとめ

あとはステロイドを使用する方の気持ち次第と思います。

ステロイドを止めると病状が悪化して命に関わる病気の場合は、自己判断で止めてはいけません!
病院の治療方針に沿って治療しましょう。現状の治療方法に疑問がある方は、他の病院や他の先生に診察してもらって治療法が同じかを確認するのも1つの方法です。(セカンドオピニオン)

皮膚炎の場合や、アトピー性皮膚炎の場合はステロイドを止めても命にまでは関わらないため、長い目で見たときに、今後もステロイドに依存していくのか、今後はできれば止めたいと思うのかで、日常の努力、生活の改善は変わってくると思います。

ステロイドは安全な薬か?
薬剤師の立場から発言するなら、適切に使用すれば安全な薬と言うでしょう。
それ以外の発言は、いろいろな所を敵に回しそうで怖いです。

でもあくまで、個人的な感想から発言するなら、可能なら極力使用したくない薬と思います。

病気の内容によって、ステロイドの重要性は変わってくると思いますが、くすりの上田が専門としている「アトピー性皮膚炎」に関しては、ステロイドに依存しない治療法もあってもいいと強く思っております。

アトピー性皮膚炎」の対策や生活の改善については、当店ホームページの「アトピーQ&A」をご参考くださいませ。お役立ち情報が満載ですよ!

記事担当
薬剤師:上田康晴

アトピー相談の薬屋さん
くすりの上田
富山県高岡市大手町11-30


くすりの上田通販ページへ