免疫の1番隊長 胸腺免疫について
免疫を司る2大リーダーが 「胸腺免疫」と、「腸管免疫」です。

今回は、馴染みのない 「胸腺免疫」の方のお話です。
胸腺は昔は、幻の臓器とも言われいくら調べても、その働きがわかりませんでした。 ここ20~30年の間に研究は進み 胸腺の働きが解明されました。
胸腺は生涯現役の免疫臓器ではなく、大人になるまで体を守ってくれる第一の免疫臓器になります。
生まれてくる「赤ちゃん」にとってこの世は、細菌、ウイルス、寄生虫など危険はいっぱいです。

しかし、生まれてきた赤ちゃんは元気に育っています。なぜでしょうか?
赤ちゃんは、お母さんから母乳により前回の「アトピーQ&A」でお話した免疫抗体である「IgA」をもらっています。
これが母子免疫となるのですがこの働きは、1~2ヶ月と経つうちにその力が弱まっていき、半年くらいでなくなってしまいます。その後に赤ちゃんを守ってくれるのが胸腺免疫(IgG)です。
胸腺は、自己と非自己を見分ける働きがあります。免疫の教育学校みたいな所です。白血球の成分の1つである大事なTリンパ球を胸腺は、育て上げます。
しかし、この教育学校である免疫臓器の「胸腺」は16歳ころに働きがピークを迎え年齢と共に、小さくなってしまい40歳頃には、4分の1くらいに萎んでいます。
アトピー性皮膚炎は、子供の方が治りやすく、大人の方は、時間がかかる傾向があるのですが、私は、大人になると、この胸腺の働きが落ちて、暴走している免疫をコントロールしにくいのではないかと推測しています。
20歳までの子供のアトピーは、真面目に頑張ってもらえれば本当に治りやすい実感はもっています。
アトピー性皮膚炎は子供のうちが治し時です。
お菓子が食べたい時期ですが、これから先の長い人生にアトピーで悩まされないためにも、しっかり頑張っていきましょう。
薬剤師:上田康晴
アトピー相談の専門店
くすりの上田
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